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2021年4月20日(火)

きょうの潮流

 もう使命感だけではもたない。心も体もぼろぼろになって、後ろ髪を引かれるような思いで辞めていく。いま新型コロナ治療の最前線で働く人たちが次つぎと現場を去っている―▼「看護師たちの限界線」。コロナ患者を受け入れている東京女子医大病院にNHKが密着、集中治療室にカメラが入りました。番組から伝わってきたのは過酷な勤務実態とともに、命を守る労働者を冷遇する現実でした▼全身密閉で首が痛くなるほど重いマスクを着け、重症患者を相手に長時間の看護。感染予防のためホテル暮らしで家族や友人に会う機会もほとんどない。疲労はピークに達し、いつ心が折れるかわからない。亡くなる患者が相次ぎ焦りや無力感にもさいなまれる…▼最も必要な場に人手が足りない。定年退職や妊娠中の看護師の手も借りる綱渡りの状態。それなのにボーナスは大幅にカットされ定期昇給も見送られる。コロナによって経営が悪化した病院を国が支えないからです▼北海道医労連は医療従事者への抜本的な改善を求め街頭やSNSで声をあげています。定期的なPCR検査もせず、五輪にまい進している場合なのかと。この1年余、悩み苦しみながらコロナとたたかってきたケア労働者に通じる怒りでしょう▼第4波に襲われている日本。ふたたび医療現場はひっ迫し、命と生活を守る必死の日々が続く一方で、五輪や軍事に巨額を費やす。この国の政府が何を優先しているか。未曽有の危機のなかでいびつな姿をさらけ出しています。


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