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2021年3月31日(水)

労災保険 芸能従事者も対象 あすから

日本俳優連合など長年の運動が実る

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(写真)「全国芸能従事者労災保険センター」発足について記者会見する芸能従事者ら=30日、厚生労働省

 仕事や通勤中にけがや病気を負った人を補償する労災保険。4月1日から新たに俳優や歌手、アニメ制作者といった芸能従事者も特別加入できることとなりました。日本俳優連合などの長年の運動が実ったもので、全国商工団体連合会や日本共産党も求めてきました。

 日本俳優連合と日本音楽家ユニオン、落語芸術協会は30日、厚生労働省内で記者会見。3団体で「全国芸能従事者労災保険センター」を発足させ、全国すべての芸能従事者を対象に特別加入の手続きを受け付けると明らかにしました。

安心して治療に

 日俳連の森崎めぐみ国際部長は、俳優など芸能実演家の3人に1人が仕事でけがをしていると紹介し、「私たちによりそった制度ができた」と喜びました。

 落語芸術協会の三笑亭夢太朗理事は「演芸でもけがはあるが、これまでは泣き寝入りだった。『ありがたい』という声が楽屋から聞こえてくる」と発言。音楽家ユニオンの土屋学代表は「けがをした芸能従事者のだれもが安心して治療に専念できるようにし、日本の芸術・文化をさらに発展させたい」と語りました。

 これまで特別加入は中小事業主や、建設や運輸業の「一人親方」などが対象でした。今回、俳優や歌手、ダンサーなどの「芸能実演家」や、監督や撮影スタッフなどの「芸能製作作業従事者」(合わせて約21万8000人)、アニメ制作従事者(1万人)、柔道整復師(7万3000人)が加わります。

 加入すれば治療費などの療養費や休業期間の給付、後遺障害への給付、死亡時の遺族への給付などを受けられます。加入には芸能従事者労災保険センターなどの「特別加入団体」を通じ、申請書を労働基準監督署に提出する必要があります。

喜びの声広がる

 日俳連は創立以来44年間、芸能従事者の労災保険加入を求め続けてきました。「フリーランスのスタントマンも労災保険に入れるようになった。業界としてもありがたい」(東京都内でスタントマン事務所を営む男性)など、喜びの声が広がっています。

 全商連は、すべての業種で中小業者と家族従業者が労災保険に加入できるようにすることや、労災補償への国庫負担を増やし、小規模事業所の労働保険料率を引き下げることなどを求め、引き続き取り組みを進めています。


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