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2021年3月29日(月)

NHK日曜討論 小池書記局長の発言

 日本共産党の小池晃書記局長は28日のNHK「日曜討論」で、新型コロナ感染症の再拡大(リバウンド)への対策や後半国会の焦点などについて各党幹部と議論しました。

リバウンド防止

 新型コロナのリバウンド対策をどうとるべきかと問われ、立憲民主党の安住淳国会対策委員長は、リバウンドの危険の中で緊急事態宣言を解除したことで感染が増えることに懸念を示しました。自民党の柴山昌彦幹事長代理は、徹底的な検査や水際対策、変異株検査などを挙げました。

 小池氏は「すでに急速な感染再拡大が始まっているとみるべきだ」と指摘。本格的な第4波を封じ込めるためには、補償を抜本的に強化することと大規模検査が待ったなしであると強調しました。日本共産党が提案してきた大規模検査などについて菅義偉首相が「方向性は同じだけれども量が違う」と答弁したことを挙げて、「量こそが問題だ。量とスピードが圧倒的に足りない」と批判しました。

 高齢者施設等への社会的検査がいまだに自治体任せになっていることや、モニタリング検査が直近の1週間で1日わずか650件でしかないことを指摘し、「政府目標の1日1万件に比べても少なすぎる。われわれは1日10万の桁でやるべきと提案している」と主張しました。さらに、変異株の実態を把握できていないことも重大だと批判し、「補償と検査に本気で取り組むことを政府に求めたい」と述べました。

経済の立て直し

 コロナ禍によって深刻な打撃を受けている経済の立て直しについて、小池氏は、何より検査と医療で感染を抑え込むことが大切だとした上で「その間に、店をつぶさない補償、失業者をつくらない対策、生活を支える支援が必要だ」と指摘。宣言解除を受けて時短要請の協力金が一律1日4万円となったことについて、「まったく不十分だ。事業規模に応じた支援が必要だし、飲食店以外にも対象を広げるべきだ」と主張しました。

 また、政府が緊急事態宣言の真っ最中に、持続化給付金や家賃支援給付金を打ち切ったことや、雇用調整助成金・休業支援金を5月から縮小するとしたことについて「冷酷だ」と批判。「子育て世代だけではなく、コロナ禍で仕事を失って生活が苦しい方の手元にただちに届く給付金が必要だ」と述べ、2回目の持続化給付金も出すべきとして、「野党が共同で提出した法案を前向きに受け止め、実現すべきだ」と迫りました。さらに、「中小企業支援という点でも、消費税減税が必要だ」と述べました。

 自民・柴山氏は、給付のスピードアップは重要だと述べつつ、持続化給付金などは不正もあったとして、売り上げが50%以上減ったところへは一時金を給付するなどと弁明しました。

北朝鮮ミサイル、米中対立

 北朝鮮が25日に弾道ミサイル2発を発射した問題について、各党から国連安保理決議違反だとの批判が相次ぎました。

 小池氏は「どうみても明白な国連決議違反だ」と厳しく批判するとともに、国際社会は北朝鮮の核開発と、関連する活動の中止・放棄を求めるべきだと主張しました。

 さらに、バイデン米大統領が「非核化を最終目標とする外交を準備している」と述べ、韓国とロシアも外相会談で、関係国間の交渉プロセスができるだけ早く再開されるべきだとしていることにふれ、「日本は拉致、核、ミサイル、過去の植民地支配の清算などを包括的に解決するとした『日朝平壌宣言』を結んでいる。関係国と連携しながら、『宣言』に基づく外交解決を目指す努力を強めるべきだ」と呼びかけました。

 安住氏は「バイデン米大統領がどういうアプローチをするのか注目したい」と発言。自民・柴山氏は、ミサイル発射は「同盟国の結束を試している」として、日米の結束を強めるとともに日本の防衛力強化が必要だと述べました。

 米中対立をめぐっても議論となり、小池氏は「中国に対し、国連憲章と国際法を守れと強く迫る国際的な世論の包囲網を形成するために、日本は役割を果たすべきだ。軍事的対応の強化は、軍事対軍事の悪循環で事態を悪化させるだけだ」と語りました。

総務省接待、法案誤り問題

 総務省の接待問題について問われた自民・柴山氏は、現在調査中で問題があれば処分したいとし、法案の誤りは官僚が忙しい中で起きたなどと述べました。

 小池氏は「官僚の責任は重大だが、デジタル庁法案などを急いでつくらせるなど『忙しくさせている』のは政府だ」と指摘しました。

 その上で、「総務省でも農水省でも文科省でも接待疑惑が後を絶たず、選挙買収を認めた河井前法務大臣の問題について自民党の二階幹事長が『他山の石』と人ごとのように発言し、国会には資料を出さず、参考人要求は拒否し、政治家も官僚も平然と『記憶にない』と答弁し、ことごとく真相解明に背を向けている」と批判。「安倍政権7年8カ月、菅政権6カ月で本当に政治の腐敗・堕落・劣化が深刻だ」と述べ、「これまで隠されてきた事実を明るみに出し、腐敗を一掃するためには政権交代しかない。そのために全力を挙げていきたい」と語りました。

 自民・柴山氏は「長期政権が続くなかで綱紀が乱れていると指摘されたことは、真摯(しんし)に受け止めなければならない。しっかり襟を正していかなければならない」と述べました。

 小池氏は、「こういうことが起こると『綱紀粛正』とか『襟を正す』というが、いったい何枚襟があればいいのか」と反論。国会審議の軽視・形骸化の中で法案の誤りが起きていると指摘し、「根本にある政治の責任が一番問われている」と主張しました。

後半国会の焦点

 最後に後半国会の焦点について、小池氏は病床削減推進法案、高齢者医療費負担2倍化法案を挙げ、「コロナ危機への反省どころか、逆行だ」と厳しく批判しました。また、デジタル改革法案は監視社会に道を開く法案だとし、「個人情報が企業に利用される危険がある一方で、肝心の個人情報保護が欠落している。いずれも大問題であり、徹底審議で廃案をめざす」と表明しました。

 通常国会で内閣不信任決議案を提出する可能性を問われた立民・安住氏は「長期自民党政権に対するわれわれの考え方を伝える重要な方法の一つが、内閣不信任案だ。準備をしたい」と述べました。


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