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2021年3月25日(木)

校閲の目

他山の石

 河井克行元法相の買収事件について、自民党の二階俊博幹事長が「党として他山の石としてしっかり対応しなくてはならない」と述べました。すかさず日本共産党の田村智子副委員長はツイッターで「『他山』ではなく『自分のお山』の事件ですよ」と批判、小池晃書記局長も「まぎれもなく自山だ」と指摘しました。

 そもそも「他山の石」とは何でしょうか。2013年度の国語に関する世論調査でも意味が「分からない」人が多数でした。

 この言葉は中国の詩集「詩経」に由来します。「他の山からでた粗悪な石でも、自分の宝石を磨くのに役立つ」という意味で、「他人の誤った言行も自分の行いの参考となる」ことになりました。人のふり見て我がふり直せ、と似ています。

 二階氏の発言は他党議員の話なら成り立ちますが、当時は自民党の衆院議員であり、首相・官房長官肝いりで自民党から夫妻あわせて1億5千万円の資金が提供されたのですから成り立ちません。しかもそれが買収資金の原資になっているのではと疑われています。「人ごとだ」「まるで無関係だと言わんばかり」と批判されるのは当然です。

 二階氏の「しっかり対応」の後の発言でも「国民から後ろ指をさされたりしないように」というだけですから、党として真相を解明する責任は見えません。(河邑哲也)


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