2021年3月16日(火)
きょうの潮流
おとといの日曜日、東京でサクラの開花宣言がありました。温暖化の影響か、気象庁によると14日の発表は観測を始めた1953年以降、昨年と並んで最も早い開花となりました▼さっそく花の名所、上野公園を歩きました。中央園路の桜並木はまだつぼみですが、入り口のしだれ桜や大寒桜はすでに見頃。しかし通りは片側通行で木の下への立ち入りも制限され、宴会や飲食は禁止。昨年と同じく歩きながらの花見を呼びかけています▼宴はまたも夢と。この時期はさまざまな行事がめじろ押しですが、コロナ禍はいつも通りを許しません。子どもたちにとっても大切な節目ですが、卒業式や入学式を延期する学校も。変わりゆく催事は心の喪失感をもたらしています▼首都圏に緊急事態宣言が出されてから2カ月余。菅首相は期限の21日解除について「言える状況ではない」。出口の見えないなかでの生活苦、耐えがたい不満や怒りがひろがります▼上野駅前の飲み屋街。時短要請の午後8時をすぎても、かなりの店が営業を続けていました。上野に限らず、夜の街や観光地の人出は増えています。ダラダラと続けられても、対策があいまい、中途半端、と街の声▼感染者は下げ止まるどころか東京では増加傾向も。変異株の流行も心配です。ところが政府は、いつまでも有効な手だてを講じないまま、深夜の会食や接待漬けがあらわになるばかり。生命の輝きをめでる花見には、おはらいの意味も込められています。はらうべき邪気は明らかに。








