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2021年3月13日(土)

“性的テロリズム”とたたかう医師の姿伝える

立山芽以子監督に聞く

「考え、行動することが世界を変える」

 アフリカ中部にあるコンゴ民主共和国(旧ザイール)では、40万人以上の女性が武装勢力による性暴力被害にあっています。コンゴ東部の「女性にとって世界最悪の場所」と呼ばれる地で、暗殺未遂に遭いながらも5万人の女性を治療・救済し、2018年にノーベル平和賞を受賞した医師のデニ・ムクウェゲ氏―。彼を通して、武装勢力が横行する動機や、日本とコンゴの“つながり”を伝える映画「ムクウェゲ『女性にとって世界最悪の場所』で闘う医師」の立山芽以子監督(TBS「NEWS23」番組プロデューサー)に話を聞きました。(北野ひろみ)


写真

写真・山城屋龍一

 ―武装勢力は「紛争の武器」として“性的テロリズム”ともいえる性暴力を意図的に利用。その背景にはスマートフォンに使われているレアメタルや金など鉱物資源の豊富な産地でありながら、国際社会の中では経済的に困窮している事実があると映画は伝えます。

 コンゴというと地図もすぐには出てこない遠い国。映画を見て「コンゴに生まれなくてよかった」と思う方もいると思います。けれど、私たちはコンゴの人たちが採掘した鉱物資源を使用したスマホを使っているかもしれない。世界はつながっているということを伝えたかった。

 日本は日本だけ、自分は自分だけで生きているわけでなく、世界で起きていることも自分たちとつながっている。そういうことに共感したり、想像力を働かせたりすること。そしてできるなら行動する。それが大事なことだとムクウェゲ医師から教わった気がします。

 ―映画では、日本で考えて、行動する人の姿も伝えます。

 いろいろなやり方があって、映画を見たよと友達と話すのも行動の一つだし、ムクウェゲ医師の病院に寄付をするのも、違法な鉱物資源を使った製品を買いませんというのも行動。選挙や投票行動を通じてもっと積極的にこの問題をやってと政府を動かす、企業に訴えるのもそう。みんなが知って行動していくことで、少しずつ世の中が変わっていくんじゃないかなと期待しています。

 「ムクウェゲ『女性にとって世界最悪の場所』で闘う医師」は、「TBSドキュメンタリー映画祭」(ユーロライブ=東京・渋谷区)で20日(土)午後6時から上映されます。終了後、監督らのトークイベントを開催します。20~27日までオンライン上映あり。


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