2021年3月13日(土)
きょうの潮流
この10年、スポーツが震災復興の“芽”を育んできたことに気づかされます。人々を励まし、地域に根をはる、色とりどりの芽です▼東日本大震災当時、9歳だった少年が12日、プロで初の実戦マウンドに立ちました。津波で父と祖父母を亡くしたロッテの佐々木朗希(ろうき)投手(19)。少年時代の憧れは楽天の田中将大(まさひろ)投手でした▼「夢中になれる時間があったおかげでつらい時も頑張れた」。野球に支えられてここまで。いまの目標は「自分が勇気や希望を与えられる存在となれるように」。新たな一歩を踏み出しました▼Jリーグの川崎フロンターレは、「支援はブームじゃない」を合言葉に、岩手県陸前高田市の人々と結びついてきました。その一つが米作り。地域の人から農業の耕作放棄や担い手不足を相談され、選手やサポーターで田植えをし、草を刈る。そのお米でつくった日本酒は売り切れるほどの人気ぶりです。「創造的な」支援の形は、川崎のサッカーと重なります▼フィギュアスケートの羽生結弦(ゆづる)選手は今回、「1182字」の言葉を被災地に贈りました。16歳のとき地元仙台で被災し、避難所生活も経験。その後、競技の傍ら被災地支援を続けました。「被災地の皆さんとの交流を持てたことも、…笑顔や葛藤や苦しみを感じられたことも、心の中の宝物です」▼スポーツはきっかけにすぎないのかもしれません。それでも子どもの意欲を高め、人々のつながりを育み、感謝の思いを共有する。豊かな貢献の姿がそこにあります。








