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2021年3月8日(月)

きょうの潮流

 「女のくせに」「男の上司に代われ」。コールセンターに勤める知人が相手から投げつけられた言葉。それはしこりのように胸に残っているといいます▼日常に染み出てくる性による差別。どうすれば、そんな社会を変えることができるのか。期せずして二つの本がヒントをくれました。太田啓子さんの『これからの男の子たちへ』と、上野千鶴子さんの『女の子はどう生きるか』▼弁護士でシングルマザーの太田さんは小学生の息子2人を子育て中です。そのなかで引っかかるおとなの言動が(1)男子ってバカだよね(2)カンチョー放置(3)意地悪は好意の裏返し。ありがちですが、それぞれ大きな問題を抱えているといいます▼たとえば性別によって周りの受けとめ方が違うのは好ましいのか。他者への暴力的なふるまいの萌芽を「男子あるある」として済ませていいものか。動機がなんであれ、してはいけないことを諭すのが、おとなの責任ではないか▼はびこる「有害な男らしさ」。それは男性自身の特権意識や呪縛にも。東大の入学式で性差別の現実にふれた名誉教授の上野さんは、どの分野でも女性の進出が増えれば革新を起こすと説きます。習慣や伝統にとらわれず「今日の常識は明日の非常識でもある」と▼きょうは国際女性デー。先人たちは長いたたかいの末に平等や権利をかちとり、男中心の「当たり前」に風穴を開けてきました。そして女性をとりまく社会の変化が目に見える時代へ。だれもが呪いから解かれ、自由に生きるために。


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