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2021年3月6日(土)

きょうの潮流

 放送に続き通信分野でも、総務省の接待疑惑が次々と明るみにでました。菅義偉首相と長男の正剛氏、山田真貴子・前内閣広報官とくれば…▼3者に共通するのは、総務省とメディア。首相は総務相時代、NHKに「命令放送」を指示しました。国際放送で北朝鮮の拉致問題に特に留意せよというもの。首相になってからも総務省への影響力は絶大です。一方、メディア関係者との会食も頻繁でした▼放送事業者・東北新社に勤務する正剛氏は、総務省幹部を接待、会食に同席しました。BS、CS放送の許認可権を持つ総務省に働きかけて自社に有利になるようにした疑惑が浮上しています▼山田氏が総務審議官だったとき、接待を受けたのも正剛氏から。昨年、首相がNHK番組に出演した際、事前の打ち合わせになかった学術会議問題を持ち出されました。その後、山田氏はNHKに抗議の電話をしたとされています▼放送行政を一手に握るのが総務省です。1960年から70年代にかけて郵政(現総務)相の主導で、36のテレビ局が開局しました。メディアを取り込みたい政府、テレビとの一体経営をねらう五大新聞。両者の思惑が交錯した結果でした▼その経緯は、松田浩著『メディア支配』(新日本出版社)に詳しい。著者は昨年11月に亡くなりました。病床にあって推敲(すいこう)を重ねた労作。政権がメディアに介入、メディア側に忖度(そんたく)の土壌が形成される歴史がつづられています。松田氏が健在ならば、総務省の接待問題をどう論評するでしょうか。


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