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2021年2月28日(日)

きょうの潮流

 思いがけず、台所にそろった二つの大きな白菜。いろんな鍋料理の具材に使ったり、豚肉と重ねて蒸したり。冬を代表する野菜を堪能しながら、はせる思い▼異なった立場や考えの人とも一致点で力を合わせて協同。存在感と協調性を兼ね備え、さまざまな個性と思いを尊重して手を結ぶ。そんな白菜のような政党なんだということを、もっとたくさんの人に知ってもらいたい―▼昨年11月に53歳の若さで亡くなった旭爪(ひのつめ)あかねさんが残したエッセーです。「地上5階の悲喜こもごも」と題し、2005年から13年にかけて居住地域の日本共産党後援会ニュースにつづりました。やさしさとユーモアにあふれ、楽しみにするファンも多かったといいます▼彼女のみずみずしい感性は、本紙に連載した「稲の旋律」でも鮮烈に。ひきこもりの女性が農家の男性との交流によって失われた自分を取り戻していく。日々寄せられた共感の反響は、この作家が時代の叫びをつかみ、表現した証しでしょう▼当時の担当記者との頻繁なやりとりには、自身が学びながら、こまやかに文を紡いでいった苦心の跡がにじんでいます。「朝が来るのが待ち遠しい」とまで読者が望んだ小説は映画にもなりました▼亡き後に見つかり、本紙14日付の最終面を飾った旭爪さんの詩。コロナ禍にあえぐ私たちにこう呼びかけました。「こんなときこそ 心は自由でいよう」「離れていても つながり合おう」。病の中で最後まで人々を励まし、胸に希望の灯(あか)りをともすように。


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