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2021年2月24日(水)

辺野古新基地移植サンゴ 過半数が死滅

防衛局が公表

 沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設に伴い、防衛省沖縄防衛局が移植した絶滅危惧種のオキナワハマサンゴ計9群体のうち過半数が死滅したことが分かりました。防衛局が17日に開いた環境監視等委員会で1群体の死滅を確認したと公表し、これで死滅したのは5群体となりました。

 移植されたオキナワハマサンゴ9群体は、現在埋め立て土砂が投入されている区域内から2018年7~8月に移植されました。しかし、20年10月までに4群体が死滅していました。

 防衛局によると、今回死滅が確認されたオキナワハマサンゴは、移植約1年1カ月後の観察時に白化が確認された後、白化箇所が部分死を伴いつつ拡大。移植約2年後には生存部全体が白化状態となり、昨年11月20日の観察をもって群体の死滅を確定しました。死滅したのは同年10月20日ごろで、「原因は定かではない」としています。

 サンゴの移植をめぐって、専門家は「移植は環境保全措置となり得ない」と指摘しています。

 オキナワハマサンゴ移植のほかに、埋め立て予定区域北側に生息するサンゴ約4万群体の特別採捕許可を申請した国と、移植の必要性や妥当性を慎重に審査している県との間で訴訟が継続しています。

 沖縄県の玉城デニー知事は訴訟で「サンゴ類は、移植すると環境の変化などによりその多くが死んでしまう」「現在の生息場所が最も適した環境であり、そのままの場所で生息し続けることが水産資源保護の観点から最も望ましい状態だ」と主張しています。

図

死滅が確認された移植後のオキナワハマサンゴ(防衛省沖縄防衛局資料から)


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