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2021年2月5日(金)

きょうの潮流

 女性が男性の話を遮るよりも、男性が女性の話を遮るほうが2倍も多い―。こんな研究結果があるそうです。イギリスの女性権利活動家が著した『存在しない女たち』に書かれていました▼女性たちの口をふさぐ事例は議会や法廷、職場でいくつもある。組織における性差別をなくしていくためには、多様な人びとが意思決定の場に含まれ、意見を保障するように努めることが肝要だと▼東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が国内外から批判を浴びています。「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」「女性は競争意識が強い」。日本オリンピック委員会(JOC)の評議員会で女性をおとしめる発言をしました▼批判の高まりに謝罪し撤回しましたが、辞任はしないと言い張ります。しかし大会の顔でもある人物が、あらゆる差別を排する五輪憲章にも反することを公言し、居直ること自体、居座りは許されないのではないか▼過去にも森氏は女性を蔑視する発言をくり返してきました。ひとりも子どもをつくらない女性を税金で面倒みるのはおかしい。女性は視野が狭い―。コロナ感染がどうなろうが、五輪は必ずやると言い放った態度も周りの苦境をみない凝り固まった考え方です▼以前男性ばかりのJOCの理事会を取材したときに、ほとんど発言がない会議のあり方に疑問を抱いたことがあります。トップが女性を異物のように扱う、活発な議論さえ遠ざけようとする…。そんな大会は受け入れられないでしょう。


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