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2021年1月25日(月)

きょうの潮流

 「元気で生還しますから」。最後の会話でした。ちょうど1年前。大きな手術を控えていました。訃報に驚き悔しい思いでいっぱいです。元朝日新聞大阪本社編集局長の新妻(にいづま)義輔さんが78歳の生涯を閉じました▼2月1日の「赤旗」創刊記念日が近づくたびに「赤旗」への期待・注文を寄稿していただきました。はじめてお会いした時、大阪の黒田革新府政時代に今は亡き先輩赤旗記者に「選挙取材の仕方を教えてもらった」と聞き「そんな出会いもあったのか」と驚きました▼変な話ですが、最初のころ、なんで新妻さんはこんなに「赤旗」に期待を寄せてくれるのかが不思議でした。「『赤旗』は庶民の目線で権力に向き合い、強い正義感と国民にやさしい視線があり、紙面から『人間の声』が聞こえます」▼背景に政権の応援団に舵(かじ)を切った新聞・雑誌への憂慮がありました。「権力を監視し、言わなければならないことを言うのがジャーナリズム」。それが新妻さんの信念でした▼海外特派員の経験もあり国際問題に詳しかった新妻さんは韓国・徴用工問題をめぐる一連の本紙報道に「『この新聞がなかったなら…』との感を強くした」とも▼珍しく新妻さんから「こんなものを書いたんだけど、もし良かったら」と売り込みがありました。手術の直前でした。現実政治を動かし始めた若者たちの報道に「『政治はあなたのためにある』―『赤旗』が若い人たちに『希望』を本気で届けようとしている」。期待を背に間もなく「赤旗」創刊93年です。


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