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2021年1月22日(金)

きょうの潮流

 152年前、後任の大統領就任式を欠席したアンドリュー・ジョンソンとトランプ氏には、もう一つの共通点があります。議会から弾劾訴追された大統領となったことです▼リンカーンの暗殺によって大統領となったジョンソンは南北戦争後の処理と国の再建を託されます。しかし、南部出身の大統領という複雑な立場から議会と対立。政敵を罷免したことで弾劾裁判にかけられました(『アメリカ大統領物語』)▼戦争によって二分された国。そのさなかに完成した連邦議会議事堂でバイデン新大統領がなんども「結束」を呼びかけました。歴史を振り返ってみても、私たちはつねに分断とたたかいながら、力を合わせ前進してきたと▼トランプ大統領のもとで先鋭化した国民の対立。いまだに絶えない人種差別。死者が40万人をこえ、先の大戦を上回るほどの犠牲者を出しているコロナの感染拡大。祝賀ムードとはかけ離れた厳戒態勢の就任式は米国社会の深刻な現状を映し出していました▼偽りと憎しみであおり外に向かっては米国第一を叫んできた大統領と、それを熱狂的に支持する多くの国民。その背景には権力を握り続けてきた二大政党による既成政治への不信と怒りの高まりがあります▼米国を一つにすることにすべてを注ぎ、「光の物語」をつむぐと語った新大統領。それは行動によって実証されていきます。政治への信頼と国民の結束をどうやって取り戻すのか。国際社会のなかでどんな役割を果たすのか。世界が注視しています。


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