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2021年1月17日(日)

地区委員会の活動強化・オンライン経験交流会

前進へともに探求 珠玉の発言、双方向で学んだ

 「涙が出る場面もあり、苦労あり、悩みあり、断固やり抜く気迫をもらいました」―。13日に開かれた地区委員会の活動強化・オンライン経験交流会―「総選挙躍進特別期間」成功の力に―は、党内通信を通じて全国で視聴され、20人の地区委員長の発言は深い感動と共感を生み、大きな活力を引き出しています。

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(写真)地区委員会の活動強化・オンライン経験交流会=13日、党本部

党と民青は「命綱」―響き合う国民の変化と党の役割

 党大会第二決議が示した「『日本共産党を除く』壁が崩壊したもとで、党と国民との関係が大きく変化している」という情勢の変化が各地区委員長から口々に語られました。

 高知地区の水口芳廣委員長は、学生支援「まんぷくプロジェクト」の活動を紹介。党内外から募金・物資が次つぎ寄せられ、県内6会場で2400人を超える学生に渡すことができました。一人ひとりに声をかけ、励ますなかで、「みなさんの優しさ、温かさのおかげで頑張ることができています」「新たなコミュニティーができ、すごくうれしい」と、社会的連帯を育む場となっています。

 水口委員長は「いま、民青同盟と日本共産党が“命綱”として信頼が大きく広がっています」と熱く語りました。

意識の変化リアルに

 金沢地区の亀田良典委員長は、「中央段階では、劇的な変化があるかもしれないけれど、うちらは違う」という声をどう克服したかについて発言しました。

 中央決定を身近に引き寄せて、支部の議論を促進するためにも、とりわけ情勢の前向きの変化をどう実感できるか、常任委員会や地区委員会での議論を重視しました。

 地区のコロナアンケートに切実な声と党への期待の声が寄せられ、9条改悪許さぬ市民行動などで高校生が発言を求める、スーツ姿の人から怒られるかと思ったら「頑張れ」の声援があった、金沢でもネットで中央委員会に「赤旗」を申し込んだ人を訪問すると、以前から社会主義に関心があった―など、議論を通してリアルな話題で住民の意識の変化を実感できました。

 「特別月間」で一番議論になったのは対象者の問題です。どうしても、経験から今まで当たった人、入りそうな人の人選になり、広がりません。「いずれ入ってほしいなという人を対象にあげよう」と提起すると、予定数を超える対象者名があがり、とりくみの支部が増えました。

改定綱領が大きな力

 「改定綱領は、党に新鮮な活力と科学的確信を広げて」いるという2中総の指摘が、各地のみずみずしい経験から浮き彫りになりました。地区常任委員会や地区委員会総会などでとりくんだ綱領学習が機関と党員にパワーを与えています。

40代以下で党学校

 京都南地区の河合秀和委員長は、3年前に府委員会から派遣されました。右も左もわからない、自分自身を早く知ってもらうためにも、党員をじかに知るためにも、綱領の自分の理解を語って討論する地区党学校が一番いいと考えてとりくんだ経験を語りました。

 この間45回、受講者はのべ600人になりました。「20年後の地区の姿をイメージして、未来は40代以下の党員の成長にかかっている」と思いを定めて、40代以下の党員を対象に綱領の地区党学校を繰り返し行った経験を語り、「5割が受講したことは若い幹部づくりに実り始めていると思います」と手ごたえを披露。とりくみを通して新しい市議候補を見いだし、新たに12人を地区役員にすることができました。

 コロナの下でもオンラインの地区党学校・綱領全18節解説講座にとりくんできました。1節50分の1話完結です。「綱領の踏み込んだ理解ができた。資本主義を乗り越えた社会が見えてくる素晴らしい話でした」などの感想も寄せられています。講座を毎回視聴することで、支部会議を定例化し、支部を再建した経験も生まれました。

 職場支部からの「20分で昼休みでもできる講座を」との要望に、20分政治講座をオンラインで配信。DVDにもして支部会議で視聴しています。こういうなかで支部会議を定例開催する支部が増えています。オンライン綱領全節解説講座とオンライン20分政治講座の2本立てで政治指導を強めています。

 北海道十勝地区の稲葉典昭委員長は「昨年2月、新米の地区委員長になり、議員と兼務のため、機関が組織としてパワーアップすることが必要と考えました」と述べました。

 大会決定や中央委員会総会決定、時々の「訴え」など、支部や党員に伝える力量を上げるため、月2回開く地区委員会総会ごとに綱領の集団学習を行い、情勢と綱領のかかわりなど、膨大な資料も付け、独習にも使えるようにしています。この結果、「地区委員は支部で学習の中心にもなり、綱領の支部学習はおよそ5割の支部が行うようになりました」と語りました。

琴線に触れる綱領

 宮城県北部地区の内藤隆司委員長は、地区委員会で志位和夫委員長の『改定綱領が開いた「新たな視野」』の連続講座を7回行ったと発言。毎回の参加者は十数人で、「日本共産党の主張と活動に誇りがもてる」「この学習会が拡大行動の力になっている」などの声が寄せられています。

 「党綱領には、どうしたら政治を変えることができるのかと考える人たちの琴線に触れるものがあるのではないか。その価値を改めて見直し、党内での読了と学習をすすめることは、政権を担う党をつくるために不可欠」と力を込めました。

 名古屋東部地区の梅村政年委員長は、改定綱領の学習が党員の「この内容を伝えたい」という意欲を引き出していると経験を語りました。中国に対する認識を改めたことを支部会議で学んだ「真ん中世代」の比較的新しい党員が、中国帰りの友人に、ぜひこのことを聞かせたいと「集い」を開きました。

 長年の支持者など、党外の人も改定綱領に関心を寄せ、『改定綱領が開いた「新たな視野」』を事務所に買いに来た支持者が後日、「有意義に使ってほしい」と10万円の寄付を届け、「赤旗」も購読しました。

 「改定綱領学習には特別に力を入れてきました」というのは長野県上小更埴地区の渡辺正博委員長です。

 5人の講師団を組織し、4回の連続講座を分担して開催。のべ約130人が参加して大きな力を発揮しました。現在、地区の綱領の読了率は5割を超え、さらに高い峰をめざしています。連続講座以降も出前講座、新入党員学習会などの要請にもこたえて、講師団が支部に足を運んでいます。

地区委員会の体制強化と幹部の育成

 専従が地区委員長一人だけなど、困難な地区委員会の状況の打開・活動改善に向けて全国で血のにじむような努力・奮闘が開始されています。

「自分が地区委員長と思ってください」

 職場支部が6割を占める札幌中央地区は、3年前3人いた専従がいまは森英士委員長だけ。地方議員も1人です。党建設で成功しなければ、「5年先、10年先は、地区委員会を維持できない」と、強く危機感を持ってきました。このなかで、「赤旗」日刊紙と日曜版読者は9カ月連続で前進し、現在、党員、日刊紙、日曜版読者ともに党大会時の現勢を回復・突破しています。

 変化するきっかけになったのは、党大会後の一連の中央委員会の方針でした。「後退しても仕方ない」という惰性を吹っ切ろうと、常任委員会が正面から受け止めて、挑もうと決意しました。

 実践するうえで大事だったのは、常任委員会の団結とチームワークです。「政権交代の総選挙を控えたいま、必ず今月も前進しよう」と常任委員会や朝会でくり返し、意思統一をはかり、文字通り最後の最後まで、前進にむけて頑張ることが定着しています。

 森委員長は常任委員会で、「自分が地区委員長だと思ってください」と言っています。「言われたからやる」ではなく、決めたことに基づき、自分で考えて足を踏み出してこそ、広がりをつくれると考えるからです。

率直に正面から訴えて

 山形県置賜地区の岩本康嗣委員長は、地区の1人専従です。

 昨年の党大会時、地区の財政は毎月の赤字。党員の高齢化のため、一つの町で日刊紙の配達ができなくなり日刊紙ポストを返上、地区委員長の日刊紙配達は週5日という状況でした。

 財政については、臨時地区党会議も開いて、退職した党員を地区常任委員・財政部長に選出。支部長と一緒に全党員の掌握と党費の納入率向上をすすめてきました。財政再建委員会を結成し、地区の財政状況をすべて明らかにして、地区委員長の自己批判とともに地区委員会でオープンに議論できるようにしました。

 財政活動の4原則にもとづいて再建計画を議論。7月に地区委員会事務所を引っ越し、家賃を大きく削減することもできました。地区財政はこの1月から黒字となりました。

 日刊紙配達の問題も支部長会議で実情を明らかにし、昨年8月から地区委員長の配達は週1日となっています。

 岩本委員長は、この間のとりくみで確信にしていることは、「問題を機関会議に全て明らかにして集団的に検討し、党の決定・原則に基づいて解決にとりくんだこと。一人ひとりの党員を信頼して正面から政治を語り、訴えれば、だれもが変化し、応えてくれる」と振り返りました。

 栃木県北部地区の渡邉繁委員長は、党勢が小さい地区委員会で、常勤の常任委員が一人もいないなか、ベテランの非常勤の同志が地区委員会を支え、地方議員と退職者で7人の常任委員会を構成し、毎週欠かさず地区常任委員会を開催している経験を報告しました。

 第1土曜日を地区委員会総会、第2土曜日を支部長会議と定例化し出席率もよくなってきました。機関の会議で、その時々の中央の方針を読み合わせ討議を積み重ねてきたことが、運動の前進につながっています。

 読者拡大では、日刊紙・日曜版とも大会時を突破しています。

 今大会期は、これまで手の付かなかった「地区党学校」を繰り返し開催して党の質的向上をめざし、それを量的拡大に結び付けたいと、地区の学習・教育部を確立し、地区党学校の4課目を二回り開催しました。渡邉委員長は「確信をもって党を語る力となるよう、今後も継続していきたいと思っています」といいます。

手厚い非常勤の援助

 長野県上小更埴地区の渡辺委員長は、上田市の市議でもあります。

 ダブルワークで仕事が務められるのは、市議団が4人いることと、事務所の勤務員の体制にあります。党員の顔が見え全体を把握できる前任の地区委員長が選対本部長として勤務し、“二枚看板”と言われています。

 財政部・機関紙部を束ねる女性は仕事が正確で信頼の厚い勤務員。機関紙部に新たに50代の男性が勤務員として加わりました。機関紙部を中心に「月・火・水」の3日間、パート職員で、決められた曜日以外でも依頼すれば、印刷、また草刈りなど、何でもたのめる70代の男性、事務担当の女性がパート職員として月曜日から金曜日の5日間、勤務しています。

 渡辺委員長は「非常に厚い体制になっています。しかも2人のパート職員は地域支部の支部長でもありますので、リアルタイムで方針が届くという有利さもあります」と語りました。

地区役員に現役世代を

 大阪府堺地区の田中浩美委員長は「地区機関の体制強化で、新たな地区役員を24人が決意してくれました」と切り出しました。

 経験や学習が不足していても、共に学びながら党を大きくする活動を広げ、支部への援助や指導にも挑戦しようと、頑張ってほしい人に要請をして、現役世代の地区役員を増やすことができました。

 女性地区役員の比率は39・7%に。現役世代は44・8%になりました。

 常任委員会を非専従の常任もふくめて20人の体制にしました。行政区の体制を常勤専従者から非専従の常任にし、青年・学生、労働、分野別を常勤の常任委員が担当しています。新しい体制は、常任委員の一人ひとりが共に力を寄せて地区を前進させようという思いが、団結の要になっています。委員長と副委員長の2役会議を毎週1回、月1回は財政部長、機関紙部長も加わって会議をし、みんなの知恵を集める努力をしてきました。

 広島市東地区は、この数年間、常勤体制が弱くなるなかで、「補助指導機関」が支部活動の交流と団結の場として定着しています。各補助指導機関の長は地区常任委員を兼務し、週1回の地区常任委員会での論議で支部のリアルな困難や努力が生き生きと交流されています。

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(写真)13日に開かれた地区委員会の活動強化・オンライン経験交流会

世代的継承は待ったなしの課題

 党の世代的継承へ、「寝ても覚めても考えてきた」「頭の中の半分は世代的継承がある」など、待ったなしの課題として、探求・開拓・前進の努力が続いています。

頭の半分は世代的継承

 「私自身、頭の中の半分は世代的継承であり、考えない日はありません。すべての支部が若い世代や労働者の対象者をあげられるよう努力したい」と思いを語ったのは札幌中央地区の森委員長です。

 地区は新たな前進を開始しています。「特別月間」では3年ぶりに職場支部で党員を迎えたほか、地域支部で3人の労働者を拡大しました。7人の入党者のうち5人が10代を含む40代以下です。いずれも支部のつながりで、そのほとんどが支部自身での拡大でした。

 世代的継承のとりくみの出発点になったのは、青年支部への援助です。民青班が学生、青年むけのフードバンクにとりくんでいます。粘り強く、自主性を尊重しつつ、支部と党機関が全面的に支援しています。このとりくみを通じて、スタッフとして参加した学生と高校生が民青に加盟しました。民青班を直接支えているのが、青年支部です。支部長は、仕事をしながら本当に丁寧に仲間と連絡をとりあっています。

寝ても覚めても最重点と

 山形県置賜地区の岩本委員長は「青年・学生分野だけは寝ても覚めても転がり落ちても最重点としてとりくんできました。この間の地区委員長の活動のうち、7割から8割は青年・学生分野に注いできたと思います」と切り出しました。

 「青年・学生にこそ、党と民青同盟が必要とされており、私たちの世代で途切れさせるわけにはいかないという思いでやってきた」と述べ、3年間で空白大学での党支部と民青班の再建などの前進をつくってきたと語り、党本部の会場からも「ほおー」という感嘆の声が。

 地区では、青年・学生の中での党と民青同盟の建設を最優先課題として、地区委員長を責任者とする青年・学生委員会を毎月毎月行ってきました。

 「希望は、青年・学生分野での前進の可能性が大きく開けていること」と指摘します。

 地区では民青同盟が中心となってコロナ下の学生に対する食料支援の活動を4回行い、のべ350人の学生に支援を届け、ほぼ全員から青年実態アンケートを書いてもらいました。スタッフとして参加した学生約30人からは、「コロナで引きこもっていたけれど、ここに来て友だちができた」「大学生の実情を、社会に訴えていけるのはすごいことですね」などの感想が出され、いずれも継続的に結びつきを強めています。

コロナの下 「生き方」考える若者

 「『総合計画』でも『世代的継承は党建設の最優先課題』と位置づけ頑張ってきました」というのは東京都新宿地区の中野顕委員長です。

 コロナ危機のもと、若者は「生き方」を考えています。入党した若者も、生活の危機に直面していました。「音楽関係の会社に就職したものの、ライブが激減し、正社員から非正規にされてしまった」「タクシー会社に勤めていたけど、収入が減り、デリバリーのバイトをやっていたら解雇された」「大学に入学したが、ずっとオンライン授業でレポートばかり。大学に入った気がしない」などです。若者は思いがけない、困難な状況に直面し、いま人生の選択を迫られています。

 民青に専従を置くということを目標に、民青の強化を重視してきました。この4年間で同盟費が2・3倍化しています。この間、「コロナアンケート」「コロナを考えるオンラインの集い」や、区長への青年要望書提出などにとりくんできました。フードバンクでは10回で200人と対話できました。若者が民青に接し、「いま生きていくには、仲間とともに、行動することが大切だ」とわかると民青に加盟しています。

 民青への援助の中心は学習をおいてきました。民青に責任を負う青年支部をつくり、支部会議で改定綱領、『資本論』『空想から科学へ』などを学ぶとともに、「綱領」「科学的社会主義」のセミナーの受講をすすめてきました。

 入党を訴える際も、「ともに学び、ともに成長する」、この姿勢ですすめることを重視しています。

 非正規にされてしまった若者は、入党パンフを読んで、「第5章の共産主義のところがとってもいいですね。自分は中立でいたいと思っていたけど、資本主義はもう限界ですよね。日本共産党は、旧ソ連や中国をきっちり批判しているので明るい党ですよ」と話して入党しました。

 歌舞伎町のバーでアルバイトをしている学生は、綱領を学習し、「ジェンダー格差121位をなんとかしたい」といって決意しました。

 埼玉県西部地区では、放送大学の学生が、SNSでつながった学生に、「困っているなら共産党に相談したら」と声をかけて共産党に相談できました。この学生が西部地区に住んでいると知り、民青に誘い、共産党にも入りました。コロナを体験する中で、共産党への共感が広がっています。若い人の変化が大いに、いまの党員を励ましています。

 堺地区では、青年・学生、労働者、分野別での現役世代での党づくりを、常任委員会の体制も強化してとりくもうと、職場関係の地区役員3人が常任委員会に入っています。

 労働分野はプロジェクトチームを職場の地区役員で構成し、一昨年からとりくんで、昨年11月には公務職場で入党者を迎える経験も生まれました。

党大会第二決議を確信に「支部が主役」の「大道」を歩んで

 2中総決定の全党徹底と「総選挙躍進特別期間」の四つの課題実践へ、党大会第二決議に確信を持ち、「支部が主役」の党づくりの「大道」への挑戦が始まっています。

「政策と計画」づくりを重視

 北海道十勝地区は、党創立100周年を130%の党勢で迎えるために月の目標を週単位で追求、実践する支部を大勢にすることにとりくんでいます。すべての支部が「政策と計画」を持ち、自覚的な党活動を進めること。毎週の支部会議を軸に党活動を組み立て、参加できない党員に、連絡・連帯網や支部ニュースなどで日常的なつながりを持つことを重視してきました。

 「政策と計画」は82%の支部が作成するところまで進みましたが、まだ道半ばです。連絡・連帯網、支部ニュースは、地区の「推進ニュース」で交流するなどして、発行していない支部も気軽に発行し、全党員に届ける党風をつくる促進になっています。

 党員拡大では毎月50%の支部で100人に入党を訴える目標を持っています。「特別月間」平均で45%の支部が入党の訴えをするところまでになり、年間通して入党の訴えをした支部は72%、新入党員を迎えた支部は49%と、「支部が主役」で対象者を出し入党の訴えを行う支部が広がってきました。

 読者拡大では、全支部成果、成果党員を増やすことを重視。支部が毎月の目標を持ち、週単位の節目標を明らかにして、支部会議で行動日を決め、行動に参加したことのない党員も含め、組行動で行動に参加しやすい努力をしています。その結果、成果支部の月平均は一昨年の63%から73%に。最高の月で82%にまでなりました。

 金沢地区の亀田委員長は、「支部が主役」を貫くことについて「機関がこちらの思いだけを押し付けるのではなく、支部に出かけ、一緒に議論し、学びあう活動が大事だと思います」と述べました。

 非常勤の組織部長が強調するのは、支部の「政策と計画」づくりと週1回の支部会議の開催です。「計画」をもった支部は自覚が生まれ、党勢拡大でも目標と行動にこだわり、「特別月間」の力となりました。9割近くの支部が行動し、8割近くが読者拡大の成果をあげることができました。

 「『民主連合政府』という『夢』を実現するその時がやってきた」と切り出したのは東京都西多摩青梅地区の数野一委員長です。

 7割の成果支部に到達しても130%目標はできない。100%の成果支部が必要です。未成果支部でも半数は行動しています。そもそも援助者がいない支部か、あるいは援助が不十分になっています。担当者任せにしてはダメだと痛感。集団の力で、乗り越える地区機関の努力と工夫が必要だと考えるようになりました。最近設置した党建設委員会の中心任務を「未成果支部」への援助・対策に置くことにしました。

 埼玉県西部地区の長沼チネ委員長は、常任委員会で、「支部会議で、中央から出された文書を読了・討議できているだろうか」と議論し、思い切って4日間かけての支部長合同会議を開いた経験を語りました。

 参加できなかった支部には、手分けして地区役員、常任委員が参加して、読了・討議、そしてポイントを語り、行動を具体化してきました。その結果、コロナ感染拡大の中で支部会議がなかなか開催できなかった支部も開催できるようになっています。

 同地区では、支部長などから、「日刊紙を増やすのが大変」「対象者がいない」との声があり、「赤旗」党活動のページに掲載された「日刊紙お試しキャンペーン」の記事を常任委員会で学び、5カ月間とりくんできました。支部で、日曜版読者の方に、日刊紙を読んでほしい人を出し合い、了解を得て、日刊紙を1週間届け、感想を聞くことにしました。ある支部長は、「日刊紙の対象者がいないと思っていたが、対象がいました。このとりくみは相手をどう見るか、目を開かせてくれるとりくみです」と語っていました。

 川崎北部地区の岡田政彦委員長が語ったのは各行政区、議員地域ごとに毎週、支部長会議を開いた教訓です。

 会議には、常任委員が、手分けして参加し、議員や地区委員も可能なかぎり参加し、活動交流や具体化、議員と支部の行動のセットなどを相談しています。レジュメは、メールやファクスでも送り、運動団体や職場の支部を含め、全体の87%の支部に、毎週、地区委員会の方針を届けています。

 こうした日常的なネットワークが、コロナ危機のもとでも、活動を維持する支えとなりました。昨年の緊急事態宣言のもとでは、支部長会議が開けなくなりましたが、地区常任委員会のレジュメは、毎週、各行政区・ブロックの事務所に届け、メール、ファクスでも送りました。これにこたえ、支部活動の報告や支部ニュース、支部長から支部のメンバーにあてた手書きの訴えなどが、地区委員会に寄せられました。支部ニュースを出せなくても、地区のレジュメだけは、支部員に届け続けた支部長もいます。

全支部の会議参加に挑戦

 千葉県西部地区の椎葉寿幸委員長は、次のように発言しました。

 「昨年2月、地区委員長に選出され、地区党の持てる力をどう発揮するか、新型コロナの感染拡大という未曽有の事態にどう対応するか、支部や地区委員会との団結を何よりも大切にと、目標として、すべての支部会議への参加を決意しました。11カ月で会議に参加できた支部は約7割です。その際、『いつも通りやってください。話したいことがあれば私から発言の機会を求めます』と、支部の工夫や苦労、ありのままの姿をとらえることに徹しました。日刊紙を使った政治討議、生き生きした改定綱領の学習、3分間スピーチによる全員発言など、支部が大切にしている工夫がたくさん見えてきました。機関に対する苦言も出されます。党を大きくしたいとの思いの表れだと受け止めています。支部の声、つぶやきを大切にする。これが団結を築き、前進をつくり出す土台になったと思っています」

 地区は昨年、党員現勢を4カ月連続、読者現勢を日刊紙・日曜版ともに11カ月連続で前進させました。

 党員拡大では、入党決意者が19年と比べ4倍、4割が50代以下の世代となり、前年比で7倍になりました。

 大切にしていることは、入党を呼びかけたこと自体を評価することです。たとえ入党決意に至らずとも、「なんでも協力する」という場合が少なくありません。入党を呼びかけることそのものが積極的支持者を増やす活動だと訴えています。

 1年間で入党を訴えた支部は77%、読者を増やした支部は90%になりました。

 神戸西地区の森田稔委員長も「特別月間」を振り返り、「入党者は5人、働きかけは103人、35支部、52・2%の支部で党員拡大がとりくまれ、前向きな教訓を引き出すことができた」と語りました。

 一つは、入党の働きかけに失敗はないことを支部が実感したこと。二つは、一人ひとりの読者・支持者としっかり付き合い、時々の日本共産党の果たす役割、政策を知らせれば、誰でも入党する可能性があること。三つは、こうしたとりくみができるのも改定綱領の値打ちが光って、綱領の内容を自らの言葉で訴えることで、党内外に改定綱領の魅力を広げる力となることです。

「学習せずに日本社会をなめたらあかん」

 滋賀県湖東地区の服部恒平委員長は、11カ月連続で「赤旗」読者を前進させることができたことについて、「大事だったことが三つあります」と述べました。

 一つ目は、党員と支部のもつ力を引き出す地区委員会の指導と援助に力を注いだことです。党員と支部を信頼し、率直に「拡大目標とその達成に必要な行動」を提起し、支部に入って一緒に足を踏みだすことを大切にしました。

 二つ目は、学習が力になっていることです。常任委員会では学習の時間をしっかりとって、大会決定、改定綱領学習講座、「みんなで学ぶ党規約」『月刊学習』を活用した学習、古典教室などにとりくんできました。「たとえ専従や議員でも、学習なしで元気に活動するのは不可能。日本社会をなめたらあかん」と言い聞かせ、学習に力を入れてきたことで、個性豊かな集団が党勢拡大で力を合わせるようになってきました。

 三つ目は、励まし合うことです。昨年12月も最終盤は、地区役員のLINEグループで拡大到達やその日の拡大目標、それぞれの行動や成果を共有することを欠かさずに行うことで、励まし合うことができました。

 広島市東地区の大西理委員長は「支部から学ばされた」ことを率直に語りました。

 2中総で提起された「特別期間」をどうとりくむのか。当初は「支部で『あれもこれも』と課題の大きさと多さに戸惑わないだろうかと心配になりました」と大西地区委員長。四つの課題と目標が、今の地区委員会や支部の力量で、4月末までに果たしてこなせるだろうかという戸惑いがありました。しかし、支部に話を聞いてみることで、光が見えてきた気がしたといいます。

 広島市中区の吉島支部は、後援会員を増やす「全戸訪問」を15年間続けてきました。その時々のホットな話題になっている問題にたいする署名、今は「河井事件の真相解明を求める署名」などを訴え、「後援会ニュース」を読むこと、日本共産党への支持を訴えます。対話がはずむ相手には見本紙を渡して「赤旗」購読を訴える。この行動と、各種名簿を使った対話で後援会員を増やしつづけ、現在1200人以上の後援会員を維持しています。

 同支部の経験から大西地区委員長は「読者・後援会員ときちんと対話し、担い手を広げながら、党員・読者を増やし、全有権者を視野に対話を広げる『特別期間』の方針こそ、地区対話目標、得票目標達成の道だと確信を持ちました。困難を乗り越える知恵は現場にあると、党大会第二決議が改めて確信になった」と振り返りました。

 高知地区の水口委員長は、職場支部への指導と援助の改善について言及。職場支部への援助の中身を、情勢と党の値打ちや役割を語りあい広げること、職場や家庭の事をじっくり聞くことに努力してきました。

 教職員、医療支部などで「集い」が開かれ、30年ぶりに党員拡大に足を踏み出し、日刊紙読者を増やした支部もあります。

 水口委員長は「小さな変化ですが地区にとっては大きな一歩となっています。ともに社会を変える同志の立場で、率直に訴えれば、立ち上がらない党員はいないという思いです」と語りました。

 福岡西部地区の川原康裕委員長は、党大会後、党員プラス7人、「赤旗」読者は、日刊紙プラス27人、日曜版プラス69人の到達だったと報告。「これは過去、党大会後は党勢を減らしてきた西部地区の歴史からみると、画期的な到達です」と述べました。

 前進の流れをつくることができた最大の教訓は、「支部が主役」の党活動を重視し、5割近い支部が週1回の支部会議を開催し、月2~3回の開催を含めると7割以上になっていることです。これを長年続けてきたことが、「共産党を除く」壁が崩壊するもとで、力を発揮しています。

 支部主催の「集い」開催の努力も続けてきました。党大会後の11カ月では、7割の支部が支部主催の「集い」開催に至っています。党大会後に入党を働きかけた約80人の中で、「集い」で働きかけた方は7割に及び、そのうち3人に1人が入党しています。

ニュースが交流の場に

 宮城県北部地区の「党勢拡大推進ニュース」は、昨年2月の地区党会議に第1号を出し、113号まで発行しています。週2、3回のペースですが、内容的にも「方針伝達」ではなく、支部での討議の内容や具体的な経験が交流でき、励ましあって活動できるように努力しています。

 金沢地区の亀田委員長もニュースを強調。「コロナで顔を合わせられないなか、支部内の連帯網と支部のニュースは、吹き出しに党員の思いを書く工夫などあり、発見もあります。地区としても、全党を励まし、支部交流の場になるようにと、10カ月で3日に1回発行、成果だけでなく、会議や行動の内容を聞き紹介しています。『うちの支部もっと書いて』の要望も出ました。議会論戦ものせ、おらが議員の奮闘も紹介しました」

 長野県上小更埴地区の地区党ニュースは、すでに20年以上の歴史があり、日刊紙ルートとメール、ファクスを使い、6割以上の党員に翌朝までには届き、情報共有と、活動内容の紹介は党員を励ましています。

 東京都西多摩青梅地区の数野委員長も、地区ニュースの継続発行の努力を語りました。

 「ニュースは、方針伝達も重要ですが中心は、成功例と努力が実らなかった例をありのままに掲載すること。読者1人の拡大の報告の内容をできるだけつかみとること、これを可能な限り紹介することです。1人の読者の拡大のなかに、重要な学ぶべき経験・教訓があります。これを大いに評価するという機関の心構えが非常に重要だと思っています」

経験交流会の発言者

 13日に行われた、地区委員会の活動強化・オンライン経験交流会の発言者は次の通りです。(敬称略)

●北海道・札幌中央 森英士

●北海道・十勝 稲葉典昭

●宮城・北部 内藤隆司

●山形・置賜 岩本康嗣

●東京・新宿 中野顕

●東京・西多摩青梅 数野一

●埼玉・西部 長沼チネ

●栃木・北部 渡邉繁

●神奈川・川崎北部 岡田政彦

●千葉・西部 椎葉寿幸

●長野・上小更埴 渡辺正博

●石川・金沢 亀田良典

●愛知・名古屋東部 梅村政年

●大阪・堺 田中浩美

●兵庫・神戸西 森田稔

●京都・南 河合秀和

●滋賀・湖東 服部恒平

●広島・広島市東 大西理

●高知・高知 水口芳廣

●福岡・福岡西部 川原康裕


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