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2021年1月15日(金)

医療・検査・補償

感染抑止の積極的方策を

志位委員長 政府に要求

 日本共産党の志位和夫委員長は14日、国会内で記者会見し、菅義偉首相が緊急事態宣言の対象地域を拡大した13日の記者会見で「飲食店の営業時間短縮」や「不要不急の外出の自粛」など「四つの対策」を要請したことについて、「これらのすべてが国民に対する要請ばかりだ。国民に要請するだけで、政府としての感染抑止の積極的な方策が何一つない。ここに本質的な問題がある」と述べ、政府の対応の「三つの欠落」を指摘。その姿勢を根本からただすことを求めました。


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(写真)記者会見する志位和夫委員長=14日、国会内

 第1点は、疲弊と逼迫(ひっぱく)、崩壊のなかにある医療機関への減収補填(ほてん)を拒否しているという問題です。「総理は“支援する”というが、コロナ患者を受け入れたところに限ってのピンポイントの支援だ。これでは医療崩壊を止めることはできない」「医療機関には、コロナの患者を診ているところも診ていないところもある。その両方が協力して地域の医療を支えている。その全体に対する減収補填に直ちに踏み切るべきだ」と主張しました。

 第2点は、無症状者を検査で把握・保護する積極的なPCR検査の拡充の戦略方針がないことです。志位氏は、ノーベル医学・生理学賞を受賞した本庶佑、山中伸弥両氏ら学者4氏の共同声明(8日)が第1項目に「医療機関と医療従事者への支援の拡充」を、第2項目に「PCR検査能力の大幅拡充と無症状感染者の隔離の強化」を掲げていると指摘。「とくに医療機関と高齢者施設への社会的検査を全額国費でやるべきだと求めてきたが、行われておらず自治体任せだ」と批判しました。

 また、検査後の陽性者の保護も行われておらず、「緊急事態宣言が出された11都府県合計で『自宅療養』と『調整中』で少なくとも3万5000人の方々が、陽性判定を受けながら入院先も宿泊療養施設もない状態に置かれている」と指摘。「自宅で亡くなられた方も出ており、大変深刻だ。これは政府の責任以外のなにものでもない。政府が責任を持ってホテルなど必要な施設と看護師などのスタッフを直ちに確保すべきだ」と強調しました。

 第3点として志位氏は、時短や外出自粛の要請への十分な補償がないと指摘。飲食店への一律1日6万円について、「一律ではなく、事業規模に即した、事業を続けられる補償が必要だ。ヨーロッパではどこでもやっている。納入業者や生産者など、直接・間接に影響を被る全ての業者に対する補償が必要だ」と主張しました。

 志位氏は緊急事態宣言をめぐる首相の対応について「次々と方針を変えるが、その際に国民に納得のいく説明が一切ない。国民の側からすると、政府の言うことに信頼が持てなくなる」と批判しました。

 また、昨年末には同宣言発令は必要ないと言っていた菅首相が、1都3県を対象に発令し、さらに必要ないとしていた大阪など7府県を追加したことを示し、「菅総理に“国会に出て説明する必要がある”と言ってきたが、国会での説明もない。ここに一つの大きな問題がある」と強調しました。

 志位氏は、15日で持続化給付金、家賃支援給付金の申請が打ち切られる問題に言及。「緊急事態宣言を出し、国民に自粛を要請しておいて、支援は明日で打ち切る、こんなばかな政治はない」と批判し、「直接支援は打ち切らずに継続し、第2弾を支給する決断を直ちにやるべきだ」と語りました。

 政府が18日召集の通常国会に提出する感染症法や新型インフルエンザ等特措法の改定案に、入院や時短を拒否した場合への罰則を盛り込んだことについて問われた志位氏は、国民に要請しながら何もしない政府が国民に罰則まで科すという論理を許せば、「感染拡大を防止できなかった場合は『国民の責任』『国民が悪かった』ということになる。ここは政治が責任を果たす重大な局面だと強く言っておきたい」と表明しました。

 政府の2020年度第3次補正予算案について問われた志位氏は「持続化給付金や家賃支援給付金を打ち切りながら、『Go To トラベル』に1兆円もの予算を積み、6月まで継続する内容だ」と批判。「緊急事態宣言を出して、『Go To トラベル』に1兆円などという予算を審議すること自体おかしい。本来は政府が出し直すべきだが、現行案を出すのなら、抜本的な組み替え案を野党共同で出したい」と表明しました。


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