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2021年1月9日(土)

きょうの潮流

 いずれの州にも属さないコロンビア特別区、通称ワシントンDC。初代大統領のジョージ・ワシントンがここに首都をつくることを決めて以来、アメリカ合衆国を象徴する地です▼数多くある連邦政府の建物のなかでひときわ目立つのが丘の上にそびえる議会議事堂。親しみをこめて呼ばれる「キャピトル」は、立法府としての役割とともに独立記念日の祝賀会や大統領就任式をはじめ重要な式典の場にもなってきました▼合衆国の歩みを刻んできた議事堂が、米英戦争でイギリス軍に火を付けられて以来、200年ぶりに攻撃を受けました。大統領選の結果を確定させる両院の合同議会が開かれているさなか、トランプ大統領の支持者によって▼議会に向かおう、この国を取り戻せ―。抗議デモでトランプ大統領にあおられた多数が議事堂内に乱入し、一時は占拠。死者も出る暴動にペンス副大統領は「米議会の歴史において暗黒の日になった」と▼敗者が民意の結果を潔く受け入れる姿は、大統領選を通じて分断された国民の結束と協調を促す象徴とみなされてきました。それを拒んで根拠もない不正を言い募り、憎しみをぶつけてきたトランプ氏の言動が、歴史に汚点を残す暴力を招いたのです▼議事堂のドームの頂に立つ自由の像。その台座には「多数からなる一つ」との言葉が刻印されています。州が集まり一つの国をなすとともに、多民族からなるという意味も表しているといいます。世界に民主主義の範を自負してきた国の正念場です。


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