しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年12月30日(水)

主張

巨大IT企業規制

独占支配を許さない仕組みを

 GAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)と呼ばれる巨大IT(情報技術)企業に対して欧米で規制強化の流れが強まっています。圧倒的な市場支配力を使って競争相手の出現を阻む行為に厳しい目が向けられ、独占禁止法違反に問う訴訟が相次いでいます。IT大企業の横暴から中小企業や消費者、労働者をどう守るか。日本でも真剣に考えなければならない課題です。

EUは違反に厳罰の法案

 米国の10州は16日、反トラスト法(独禁法)違反でグーグルを提訴しました。企業の合併・買収(M&A)を通じてデジタル広告事業で圧倒的なシェアを握り、公正な競争を妨げたとしています。同社は10月にも司法省と11州に訴えられました。自社の検索エンジンをスマートフォンに標準搭載させ、他社製品を排除して競争をゆがめたとされます。

 フェイスブックは9日、企業の公正な取引を監督する連邦取引委員会と州当局に訴えられました。写真共有アプリ「インスタグラム」や対話アプリ「ワッツアップ」を買収したのは市場を独占するためだったとして事業の売却を求めました。アップルやアマゾンも当局に取り調べを受け、本拠地である米国でGAFAの支配にメスが入りつつあります。

 欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会は15日、GAFAを念頭に包括的な規制法案をまとめました。欧州議会などで審議されます。「デジタル市場法」「デジタルサービス法」2本の新法をつくり、違法行為を厳罰で取り締まります。市場法案は、巨大IT企業が自社サイトで自社サービスを優遇して他社を締め出す行為などを禁止し、違反には世界売上高の最大10%の罰金を科します。事業分割を命じることもできます。

 サービス法案は、インターネット交流サイト(SNS)でのヘイトスピーチや児童ポルノなど違法なコンテンツの削除を事業者に義務づけ、違反した場合は世界売上高の最大6%の罰金を科します。SNS上で外国人差別や個人への中傷がまん延している日本としても学ぶべき内容です。

 日本ではデジタルプラットフォーム(DP)透明化・公正化法が5月に国会で成立しました。2021年6月までに施行されます。インターネット上でサービスや事業の場を提供するデジタルプラットフォーマーに取引の透明化と国への定期報告を義務づけます。

 インターネット通販では事業のシステムを提供するIT大企業が、出店者に不利益を押し付けることをはじめ数々の「優越的地位の乱用」が問題になっています。DP法は是正を求める声を受けた、規制の第一歩となる法律ですが、さらに踏み込む必要があります。

中小企業、消費者を守れ

 DP法は事業者の「自主性」を基本としています。当事者任せではIT大企業の横暴を規制できません。禁止行為を明記し、厳しい罰則で違反行為を取り締まることが不可欠です。IT産業を育成する役割の経済産業省が監視担当の官庁となっていることも規制を骨抜きにしかねません。独立した監視機関を設けるべきです。

 菅政権のデジタル政策は大企業支援が中心です。中小企業や消費者、労働者を守る規制こそ強めなければなりません。


pageup