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2020年12月13日(日)

主張

「第3波」急拡大

首相の責任放棄は許されない

 新型コロナウイルス感染の「第3波」で医療崩壊の危機が現実のものになり始めています。菅義偉政権が決定した対策は、この期に及んで医療機関の減収補てんを拒み、事業者への持続化給付金を打ち切るなど冷酷な内容です。感染対策に逆行する「Go To 事業」は継続します。日本共産党の志位和夫委員長は11日、首相に「新型コロナ『第3波』から医療・暮らし・事業を守る緊急要請」を行いました。政府は姿勢を改め、「Go To 事業」の中止を決断し、国民の命と暮らしを守る対策にただちに取り組むべきです。

「成り行き任せ」をやめよ

 新規感染者数は引き続き過去最高水準です。11日に開かれた政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会も、感染拡大継続地域、高止まり地域での「Go To トラベル」一時停止をはじめ、これまでの延長線上にとどまらない対策強化を提言しました。医療現場からも「Go To」中止を求める悲痛な声が上がっています。

 インターネット番組に出演した菅首相は「Go To トラベル」の一時停止について「まだそこは考えていない」と聞き入れようとしません。政府が決めた事業なのに成り行きに任せ、都道府県知事の判断に丸投げするのはあまりに無責任です。人の流れを一刻も早く抑えるため、全国一律の「Go To 事業」の中止を即断しなければなりません。

 医療従事者の疲弊は限界に来ています。休みもボーナスもなく、家族まで差別を受けているとの訴えが相次いでいます。これから年末年始の休みもなく、さらに厳しい仕事に取り組まなければなりません。「最低限の経済的支援が必要というのは分科会の総意だ」と尾身茂会長は述べました。応えるのは政府の責務です。

 政府は緊急包括支援交付金(医療分)を2・7兆円出したと言いますが、医療機関には0・8兆円しか届いていません。このままでは離職者が増え、医療崩壊が加速しかねません。医療提供体制が薄くなる年末年始は目前です。減収補てんを含め医療従事者の処遇改善と体制強化を図る直接支援が急務です。

 年末年始に帰省、外出の自粛が呼びかけられています。飲食・宿泊業など多くの事業者にとって最大の書き入れ時に大打撃が必至です。事業者への直接支援終了は倒産、休廃業に直結しかねません。持続化給付金、家賃支援補助金を届け切ることはもちろん、制度の継続、複数回の支給が必要です。打ち切りなど言語道断です。

 解雇、雇い止めも増加しています。失業者が住居まで失うことのないよう住居確保給付金の拡充が求められます。年末年始、路頭に迷う人がないよう、生活困窮についての相談、対応の体制を急いで整備することが欠かせません。

危機感がないのは政府だ

 何よりも菅政権には国民の苦難に対応しようとする姿勢がまったくみられません。発信も説明もありません。「国民の皆さんは危機感を共有していただきたい」と呼びかけますが、危機感を持っていないのは菅政権です。

 第2次補正予算の予備費は7兆円も使われないままです。手をこまねいている場合ではありません。無為無策を反省し、なすべきことを今すぐ実行する時です。


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