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2020年12月6日(日)

きょうの潮流

 国立歴史民俗博物館の企画展「性差(ジェンダー)の日本史」。終了目前でしたが、見学できました。熱心にメモを取る若い人。性の売買の歴史に、ここまで切り込んだ展示は、かつてなかったのでは▼「これって今も一緒だよね」。若い女性のささやき声が聞こえてきました。近代公娼(こうしょう)制度のもと、娼妓(しょうぎ)は「自由意思」で性を売るものとされた、との解説を指しているようです。今なら「自己責任」か▼そこに“自由”がないことは、言わずもがなでしょう。身売りの代金(前借金)は親が受け取り、娼妓となった娘が自分の性を売ることで返済する。しかし借金は、経費や親への仕送りで増えることも。楼主から娘たちが受けた仕打ちは、胸がつぶれるような残酷さです▼これは過去形か。先日、見た番組がよみがえります。今、ひそかに広がっているといわれる“パパ活”です。名前はソフトでも、内実は“個人売春”。コロナ禍で仕事を失い、追い詰められた女性たちが、やむを得ず“パパ活”を始め、性暴力にさらされる。その一方で、あっせん事業で月100万円稼ぐ男性も。男性曰(いわ)く「嫌ならやめればいい」▼スタジオゲストの白波瀬佐和子・東京大学大学院教授は「今まであった構造的問題が表面化した」と。内閣府に設置された研究会の座長として、政府に支援を求める緊急提言を出しています▼4月9日、グテレス国連事務総長は、コロナ対策において女性・女の子を中核に据えるよう声明を発表。菅義偉首相は、それでも“自助”を説くのでしょうか。


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