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2020年11月30日(月)

NHK日曜討論 小池書記局長の発言

 日本共産党の小池晃書記局長は29日のNHK「日曜討論」で、新型コロナウイルス感染症対策、「桜を見る会」前夜祭の問題、終盤国会に臨む姿勢などについて、各党代表と討論しました。


コロナ対策

 冒頭、政府の新型コロナ対策について問われた小池氏は、新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が「個人の努力だけに頼るステージは過ぎた」と述べたことを示し、「問われているのは政府の対策だ。多くの専門家が警告しているのに危機感がなさすぎる」と指摘。「菅義偉首相は記者会見もせず、官邸で記者の質問に背を向ける。これでは国民の不安も深まるばかりだ」と厳しく批判しました。

 小池氏は、「日本医師会の中川俊男会長が言うように、『万全の感染防止対策が、最強の経済対策』であり、医療や検査体制への強力な支援が待ったなしだ。雇用や営業、くらしを守る抜本的な対策も必要だ。就職内定率の低下や学生の退学なども深刻化している。予備費が7兆円も残っているのに、その活用の検討すらしない。これでは、“菅政権による人災”といわれても仕方がない」と強調。「日本共産党は、他の野党とともに具体的な対策を示し、法案も提出してきた。政府も具体策を急いで示し、この国会で議論すべきだ」と述べました。

 感染防止のために何が必要か。小池氏は、「高齢の重症患者の数を抑えるために、病院や介護施設で入院・入所者や職員全員に、いっせい・定期的な『社会的検査』を実施し、重症者の発生を予防しなければならない」と強調。しかし、費用の半分が自治体負担であるため、社会的検査を積極的に行う自治体から国の支援強化を求める声が上がっているとして、「全額国庫負担にして自治体がちゅうちょなく検査できるようにすべきだ」と語りました。

 医療機関への3兆円の交付金が2割弱しか届いておらず、4割以上の医療機関がボーナスをカットする(日本医労連の調査)など、医療機関全体が深刻な経営困難に直面していることを示した小池氏は、「政府は『医療従事者への感謝を』というなら、金を出せ。医療機関全体への『減収補てん』に踏み切るべきだ」と迫りました。

GoTo

 「Go To トラベル」事業の運用を見直すべきかが議論に。同事業について政府は、感染拡大地域を目的地とする旅行は一時停止するが、同地域から出発する旅行は停止しないとしましたが、その後一転して出発する旅行も「自粛」を求めました。「柔軟な対応」などという与党に対して、小池氏は「柔軟どころか、迷走につぐ迷走だ。小出しの対応で感染拡大を続ける愚は許されない。『Go To』は国が進めた制度なのだから、知事任せでなく、国が責任をもって制度を抜本的に見直すべきだ」と強調。観光業・宿泊業などを地域ごとに支援する制度にするとともに、小規模事業者にも支援が届くよう制度を改める必要があると主張しました。立憲民主党の福山哲郎幹事長も「政府の対応は朝令暮改で国民も混乱している」と批判しました。

 自民・野田聖子幹事長代行は「Go To トラベル」事業が「感染拡大の原因になったエビデンス(証拠)はない」とした上で、観光業への経済効果はあったとして「これを止めることは今の日本では難しい」と発言。公明党の石井啓一幹事長も「ある程度の試行錯誤はやむを得ない」と開き直りました。

 小池氏は「感染拡大のエビデンスがないというが、調べたのは旅行した人だけで、旅館や飲食店や交通機関などへの影響も全く調べていない。国が『旅行していいですよ』というメッセージを送り、移動が増えたことが感染拡大のきっかけになったのは間違いない」と反論しました。

暮らし支援

 暮らしをどう支えるのかと問われた小池氏は、「『年が越せない』という悲鳴が上がっているのに、来年の第3次補正予算では遅すぎる。7兆円の予備費を活用した緊急対策をただちに行うべきだ」とした上で、「持続化給付金や家賃支援金などは1回限りのものばかり。複数回支給し、コロナ収束まで事業を『持続』できるようにすべきだ」と語りました。

 さらに、コロナ対策のためにドイツ、英国、韓国など世界37カ国で消費税減税に踏み切っており、「日本では、もともと昨年の10%増税で家計も中小零細企業も大打撃を受けている。5%への緊急減税を決断すべきだ」と迫りました。野党各党もそろって、「消費税を時限的に減免するべきだ」(立民・福山氏)、「消費税を1年間5%に減税」(国民民主党・榛葉賀津也幹事長)と求めました。

 それに対して与党は「消費税の財源は安易に手を付けるべきではない」(公明・石井氏)と背を向けました。

「桜」前夜祭

 安倍晋三前首相の後援会が主催する「桜を見る会」前夜祭で、安倍氏側が多額の費用を補てんした問題が議論に。小池氏は、公的行事を総理大臣が私物化した問題であると同時に、1年にわたり安倍氏や菅官房長官(当時)が国会で虚偽答弁を重ねた「前代未聞の大事件」であり、その解明は「全ての党派に突き付けられた問題だ」と述べました。安倍氏には偽証罪を問える証人喚問が必要だとし、「菅首相が拒み続けるなら、『安倍問題』から『菅問題』に発展する」と述べました。

 立民・福山氏も「国会の政府の答弁が信用できなくなれば立法府の機能が果たせなくなる」と批判し、安倍氏の予算委員会集中審議への招致を要求。国民・榛葉氏も「本人が説明責任を果たすべき。説明しないなら野党が国会で追及しなければいけない」と述べました。自民・野田氏は「安倍氏が自らの言葉で説明責任を果たすべきだ」と述べるのみでした。

終盤国会

 終盤国会の課題について小池氏は、菅首相による日本学術会議への人事介入をあげ、憲法23条の学問の自由を脅かし、日本学術会議法を踏みにじる問題で、「任命拒否を撤回させるまで徹底的に追及する」と語り、「あわせて、コロナ対策を徹底的に行うためにもこの国会での集中審議が必要だ」と指摘しました。そして、「国民が望まない改憲論議の強行には反対する」と表明するとともに、強権的で国民に自己責任を押し付ける菅政権と正面から対決し、「市民と野党の共闘で政権交代を実現するために全力を尽くす」と語りました。

 立民・福山氏も「集中審議をコロナ対策も含めてしっかりと時間をとるべきだ」と述べました。


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