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2020年11月21日(土)

学術会議問題 菅首相答弁ファクトチェック

「会員の出身や大学に偏り。閉鎖的・既得権のようになっている」

15年間で多様性向上

 菅首相は日本学術会議会員の出身や大学に偏りがあるとか、会員の選考が閉鎖的で既得権益のようだと決めつけて攻撃しました。任命拒否の理由を説明しないまま「個々人の任命の判断とは直結しないが」と前置きして的外れの批判をする不誠実な態度です。

 事実は異なります。学術会議自身の努力によって、この15年間で東京大学・京都大学の会員比率が下がる一方、関東以外の地方出身や女性会員の比率が上がり、多様性が増しています。

 会員の選考は、会員・連携会員の推薦だけでなく協力学術研究団体の情報提供を合わせ、選考委員会が幅広い分野から選びます。「閉鎖的」というのは誤りです。会員は手弁当で活動し、何の「権益」もありません。

 任命拒否して初めて取って付けたように「官房長官時代から懸念を持っていた」と言いだしましたが、大西隆元会長は官房長官時代の菅氏との面会で懸念を伝えられたことはないと証言しています。

 首相がいかに「懸念」を持とうが、組織のあり方や会員構成を決めるのは学術会議自身です。人文・社会科学系の研究者6人が排除され私立大学や女性の割合も減って、首相が持ち出した「偏り」が強まりました。事態を解決するには任命拒否の撤回しかありません。


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