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2020年11月12日(木)

生放送!とことん共産党

学術会議問題 学問の自由守る分水嶺

五野井さんと小池書記局長語る

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(写真)「とことん共産党」。(左から)小池、五野井、朝岡の各氏=10日

 日本共産党のインターネット番組「生放送!とことん共産党」は10日、高千穂大学の五野井郁夫教授(政治学)をゲストに迎え、小池晃書記局長と「日本学術会議への人事介入問題」をテーマに語り合いました。司会は朝岡晶子さん。

 番組では、4日の衆院予算委員会での志位和夫委員長の質問を動画で紹介。小池氏は、志位氏の質問で6人の任命拒否の理由は総くずれになったと語りました。さらに、菅義偉首相が突然「事前調整」がなかったことを理由に任命拒否を合理化しようとしたことについて「学術会議側に責任をなすりつける卑劣なウソ」と批判しました。五野井氏は「今までは任命段階での川下での介入だったが、それが推薦・選考段階の川上から介入していたという答弁に変わっている」と指摘しました。

 五野井氏は、学術会議が既得権益になっているという菅首相の主張に対して「われわれ学者は社会還元をするために研究をしている。学問の世界は実力に基づいて上がっていく世界で既得権益も何もない」と語り、「任命拒否された6人も素晴らしい研究をしている。この方々が選ばれないのは法の支配への挑戦だ」と批判しました。

 毎日新聞のインタビューで自民党の下村博文政調会長が学術会議について「軍事研究否定なら、行政機関から外れるべき」だと発言したことも話題に。五野井氏は「政府方針に反すればパージする、兵糧攻めをするということ。当然、学問の自由の侵害だし、それのみならず思想・信条の自由も侵害する危険な発言だ」と指摘しました。

 五野井氏は「戦前、滝川事件、天皇機関説事件など、政府の弾圧によって学問の自由が失われた。これがポイント・オブ・ノー・リターン(後戻りできない地点)となって二・二六事件が起きた」と指摘。「あいちトリエンナーレのように、弾圧は学問や芸術から始まる。ここで止められるか、切迫している時期だ」と警鐘を鳴らしました。小池氏も「戦前の政府も口先では学問の自由は大事だと言いながら弾圧に走った。今もそういう意味では同じような状況にある」と語りました。

 「違法性を認める気のない菅首相にどう落としどころをつけるのか」という視聴者からの質問に、五野井氏は「菅政権を倒すしかない」と述べ、そのためには「野党と市民が手を取り合って共闘していく以外に道はない」と訴えました。小池氏は「次の総選挙で菅政権を倒して新しい政権をつくるということを野党として鮮明にする必要がある」と主張しました。

 番組の最後に五野井氏は「学者だけの問題と思わないでほしい。政府が思想・信条に土足で踏み込んでくる時代になっていくのか、危うい分水嶺(れい)にいる。そうならないためにネットや路上で声を上げてほしい」と呼びかけました。

権力に切り込む「赤旗」

「全体像が見える」と評価

 10日の日本共産党のインターネット番組「とことん共産党」の「赤旗ナイト」コーナーで、「日本学術会議」のスクープをした「赤旗」社会部の三浦誠部長が登場し、問題の核心や取材の背景などを語りました。ゲストで出演した高千穂大学の五野井郁夫教授は「権力に切り込んでいる」「『赤旗』は全体像が見える」と評価しました。

 三浦部長は、日本学術会議への任命拒否問題は、菅首相が官房長官時代に裏で行ってきた強権的人事が表に出てきたものだと述べ、「菅首相の正体を暴くものになる」と語りました。

 また、この問題を10月1日付の紙面で報じたのは「赤旗」だけだったと紹介。「記者の合言葉である“権力を監視する”という使命感がスクープを生んだ」と話しました。

 五野井氏は「自分たちが権力と対峙(たいじ)しているという感覚が薄い、むしろ一体となっているメディアが多い中で、今回、『赤旗』がちゃんと切り込んでくれたのは非常に心強い」と話しました。また、「国会でどういう議論がされているかなども含め、長いスパンでストーリー性を持って報じている」と評価。「他紙が『細切れ』なのに対して、全体像が見えるところが『赤旗』の良いところ」と語りました。


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