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2020年11月12日(木)

きょうの潮流

 障害者自立支援法は、障害者があたりまえに暮らすことに対して利用料を課しました。作業所で働いているのに給料より多くの支払いが発生する。障害が重いほど自己負担が重くなる…▼障害があることは自己責任だとする仕組みに、「これでは生きていけない」と全国の障害者71人が国などを訴えました。障害者自立支援法違憲訴訟です。2008年10月にいっせい提訴。10年1月、和解に向けて訴訟団と国は基本合意を結びました▼人間としての尊厳を深く傷つけたことに対して、国は心からの反省を表明。憲法などに基づき、障害者の基本的人権の行使を支援する施策を約束しました▼これらがきちんと履行されているかを確認するため、訴訟団と国は定期協議を実施。基本合意締結からちょうど10年の今年は、9日に11回目の定期協議が開かれました。重症化リスクの高い障害者。コロナ禍で一堂に会することは困難です。元原告や弁護士、支援者がオンラインでつながり、気持ちを一つに、国に迫りました▼障害のない人と同じ暮らしが実現していない実態から改善を迫る元原告。国側は「自助・共助で対応できない場合に社会福祉等の公助が補完する仕組み」と木で鼻をくくるような回答も▼「“自助・共助”の一番の反対勢力が私たちです」と藤岡毅弁護団事務局長。「おかしな方向性を正しい方向に戻す場として、定期協議の存在意義があります」と力強い。訴訟団は不断の努力を続けます。「私たち抜きに私たちのことを決めないで」と。


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