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2020年10月29日(木)

任命拒否正当化

菅首相発言すべて虚偽

大西元学術会議会長の資料で判明

 「地方の大学が少ない」「一部の大学に偏っている」などとして日本学術会議会員の多様性に問題があるかのように言い立てた菅義偉首相のNHK番組(26日夜)での発言が、事実に反することが、大西隆元日本学術会議会長が野党に提供した資料で28日、明らかになりました。首相は同日の衆院本会議でも同じ趣旨の答弁を繰り返しました。


 大西氏が提供した資料は、男女比、会員の地域分布、特定大学への集中是正の「成果」を年次ごとに示したもので、女性比率や関東以外の大学の構成比が大きく前進していることを示しています。

 菅首相は日本学術会議法が定める「優れた研究又は業績がある科学者」との推薦基準を無視し、「一部の大学に偏っている」など法律にない基準を勝手に持ち出して自らの任命拒否を正当化するという法治主義破壊の姿勢を示していましたが、持ち出した“基準”をめぐる主張そのものが事実に反することが明らかになりました。

 しかも菅首相と梶田隆章会長が16日に面談した際に、梶田氏から、会員構成の多様性を確保する取り組みの成果を報告したとする会員宛てメール(28日既報)が明らかになっています。菅首相はこうした事実を知ったうえで、意図的に事実と異なる虚偽の攻撃を行った疑いが強まりました。憲法23条に反し学問の自由、精神活動の自由を脅かす任命拒否について、論点をすりかえたうえ“うそ”の攻撃をしたという重大な問題です。

 大西氏が提出した資料によると、男女比で1997年7月が男性99%、女性1%だったものが、2020年10月はそれぞれ62・2%、37・7%と女性の比率が上昇しています。

 会員の地域分布では、97年7月に関東地方の会員の比率が68・1%、その他の地域が31・9%でしたが、20年10月では、それぞれ49・5%、50・5%になっています。

 特定の大学への集中の是正では、東京大学在職者の比率が11年10月28・1%が、20年10月に16・7%に減少しています。

図

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