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2020年10月24日(土)

任命拒否6氏 そろって告発 特派員協会で会見

「学術会議の独立破壊」

違憲・違法 撤回訴え

 菅義偉首相が日本学術会議の会員候補を任命拒否した問題で、推薦名簿から除外された6氏が23日、都内の外国特派員協会でそろって会見を行い(うち2氏はメッセージ)、任命拒否の違憲性・違法性を告発し、撤回と国会での追及を訴えました。6氏がそろって見解を表明するのは初めて。


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(写真)日本外国特派員協会で記者会見する(左2人目から)松宮、岡田の各氏。右奥画面は小沢氏=23日、東京都千代田区

 小沢隆一・東京慈恵会医科大教授(憲法)は、学問の自由が保障されず、科学が戦争に動員された戦前の教訓を踏まえて憲法23条に「学問の自由」が明記されたと指摘。学術会議は憲法に基づき、権力から独立して提言を行うことを職務としており、「任命拒否は学術会議の任務と職務を妨げる」と撤回を訴えました。

 岡田正則・早稲田大大学院教授(行政法)は、「違憲・違法だ。会員の適否を政治が決めれば学術会議の独立性は破壊される。学問の自由の制度的枠組みの破壊であり、憲法23条違反だ」と批判しました。

 松宮孝明・立命館大大学院教授(刑法)は、憲法15条1項(国民の公務員の選定・罷免権)が任命拒否の根拠とされていることについて、「菅首相はどのような公務員であっても自ら選定・罷免することができると宣言した。ナチスのヒトラーでさえ、全権掌握のために特別法を必要とした。首相は現行憲法を読み替え、独裁者になろうという恐ろしい話だ」と告発しました。

 芦名定道・京都大大学院教授(キリスト教学)は、任命拒否の背景に、軍事研究をめぐる問題があると指摘。「日本の科学技術を政府がコントロールしようとしているなかで、いまの問題が起こっている」と述べました。

 宇野重規(政治思想史)、加藤陽子(日本近代史)・東京大教授はメッセージを寄せました。

「自分の問題」 海外メディア

 海外メディアからは、菅首相は就任後、直ちに学術会議介入のような強権を発動したとして「今後、どのように権力を行使するのか」といった質問も。松宮氏は「菅政権は、好き勝手に公務員を任命・罷免できるところまで突き進む危険がある。しかし、15条1項で公務員の地位を委ねられているのは国民だ。国会や国内外のメディアが世界中にこの問題を発信することで、世論がどう評価するのかが左右する」と訴えました。

 「ラジオ・フランス」などの特派員を務めるカリン西村さんは、「こんなことがフランスで起こったら、大規模なデモが起きるでしょう。それは、同じことが明日、自分の身に起きるかもしれないと考えるから。日本人はもっと声をあげてほしい」と語りました。


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