しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年10月18日(日)

きょうの潮流

 「ずっといっしょに人生を過ごしたい」。そう呼びかける“公開プロポーズ”が4年前のリオデジャネイロ五輪でありました。女子7人制ラグビーの表彰式後。ブラジルの選手に向け、試合運営を担当する恋人がマイクを握ったのです▼その場で涙し、結婚を誓い合い、口づけを交わす。幸せいっぱいの写真が世界に配信されました。2人は女性です。リオ大会では史上最多50人余の選手がLGBT(性的少数者)だと表明しました▼東京五輪に向けて日本に「LGBT平等法」を制定しよう。15日、性的少数者の支援3団体が国際署名を呼びかけました。経済協力開発機構(OECD)の調査では、日本の性的少数者の法整備は35カ国中34位。国も行政も怠慢のそしりは免れません▼議員や政治家からは“同性愛が広がれば足立区は滅びる”とか、LGBTは「生産性がない」などの“暴言”もやみません▼当事者への偏見、無理解、いじめ、そして差別…。それによって職を奪われたり、打ち明けられず悩み苦しんだりする人も少なくない。会見で同性パートナーの存在を公表している、女子サッカーの下山田志帆選手(25)は訴えました。「日本はまだ差別的な言動が多い。自分らしさが認められず、当事者がSOSの声さえ上げられない」▼五輪憲章は「性別、性的指向による差別の禁止」をうたい、東京大会は「多様性と調和」を掲げます。ならば、ふさわしい法律を。それは互いの尊厳を認め合う、優しい社会をひらく一歩でもあります。


pageup