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2020年10月17日(土)

囲碁新人王戦 関三段が逆転V

攻めをかわして優勢築く

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(写真)終局後、検討する勝った関三段(右)と佐田七段(左)、立ち会いの今村九段=16日、大阪市中央区の関西棋院(峯松進撮影)

 佐田篤史七段(24)が先勝し関航太郎三段(18)が巻き返して迎えた第45期囲碁新人王戦(しんぶん赤旗主催)の決勝三番勝負第3局は、急戦となるなか関三段が相手の攻めをうまくかわして優勢を築き、逆転勝利を決めました。

 第3局にもつれ込んだのは第39期(2014年、一力遼七段=現碁聖が優勝)以来6年ぶり。第1局は佐田七段の完勝、第2局は関三段の会心譜と、互いにホームで持ち味を出し合って1勝1敗。本局は佐田七段のホーム・関西棋院に帰って、握りなおして佐田七段の先番となりました。

 黒は左下で勢力を張り、残り3隅で三々入りして地を重視する布石。ともに穏やかな布石でヨセ勝負の息の長い碁になるかと思われた序盤。

 黒41に打ち込み、黒61切りから白石を攻める展開になり、一気に険しいたたかいになりました。白は80、88、92と中央へ脱出を図りますが、黒95と上辺の白と下辺の白を割いていき、黒が好調な流れでした。

 白102ノゾキに黒103から反発しましたが、白104から114まで、攻められた白石が左下白とつながっては、白が優勢となりました。

 黒は117からヨセ勝負に持ち込もうと右辺で頑張りますが、白118が厳しく、白を攻めていた中央の黒大石が逆に攻められる展開に。形勢のよくなった白に144と左上隅に手を入れられては紛れもなくなりました。

 逆転Vを決めた関三段は「1回戦から厳しい相手ばかりでしたが、こういう結果を残せたことに驚いています。第3局は判断の難しい碁で、自信のない局面もありましたが、最後まで気を引き締めて打つことができました」と振り返りました。

 佐田七段は関西棋院勢としては9年ぶり4人目の新人王にあと一歩と迫りましたが、なりませんでした。

 立ち会いの今村俊也九段は「互いにいいところを出し切って迎えた第3局。実力が伯仲した好勝負で、若手棋士の実力を見せつけた三番勝負でした」と講評しました。

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