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2020年9月30日(水)

香港市民 工夫の抗議

国安法3カ月 逮捕28人

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(写真)25日に行われた香港紙・リンゴ日報を公園で読む活動を伝える26日付の同紙。見出しは「あなたと『リンゴ』を見る、圧力へ無言の抗議」

 香港国家安全維持法(国安法) 香港で(1)国家分裂(2)政権転覆(3)テロ活動(4)外国勢力と結託して国家安全を害する行為―を取り締まる法律。最高刑は終身刑。中国政府は香港に新機関「国家安全維持公署」を設立し、統制を強めます。同法は6月30日、中国全国人民代表大会(全人代)常務委員会で可決し、即日施行されました。法律の解釈権が全人代常務委にあるため、恣意(しい)的運用が懸念されています。

 香港での人権抑圧を強化する国家安全維持法(国安法)が施行されて30日で3カ月になりました。民主派寄りの香港紙・リンゴ日報(電子版)は28日、同法違反容疑で少なくとも28人が逮捕されたと報道。当局は同法による威嚇と、新型コロナウイルス対策を口実とした集会制限令で、昨年来の大規模デモなどの抗議行動を抑え込んでいます。

 一方、香港市民は創意工夫をし、政府への抗議を継続。中国政府の強権的姿勢には国際社会からの批判も強まっています。

 香港市民は、リンゴ日報の創業者、黎智英(れい・ちえい)氏ら同紙関係者6人が8月に国安法違反容疑で逮捕されたことに対し、同紙を購読することで抗議の意志を表明。デモや集会の代わりとして、公園など公共の場で、複数人でリンゴ日報を読む活動を実施しています。

 弾圧下にある民主活動家らも、自由と民主を勝ち取るたたかいを続ける姿勢を明確にしています。7月21日に同法違反容疑で逮捕された民主派区議の周偉雄氏は、28日のリンゴ日報に「国安法の下でも、香港人は言論の自由を堅持すべきだ。われわれは行動し、発言し、たたかい続ける」と強調しました。

 国安法違反容疑ではないものの、今月24日に逮捕された著名民主活動家の黄之鋒(こう・しほう)氏も同日夕に保釈された際、メディアの取材に「当局は白色テロで、市民を冬のセミのように黙らせようとしている。それでも私は恐れず、抗争を続ける」と訴えました。

 国連の人権特別報告者ら7人は今月4日、国安法の規定が、基本的人権を侵害する「重大な危険」があるとして、「見直しと再検討」を求める書簡を中国政府に送りました。


 香港国家安全維持法(国安法) 香港で(1)国家分裂(2)政権転覆(3)テロ活動(4)外国勢力と結託して国家安全を害する行為―を取り締まる法律。最高刑は終身刑。中国政府は香港に新機関「国家安全維持公署」を設立し、統制を強めます。同法は6月30日、中国全国人民代表大会(全人代)常務委員会で可決し、即日施行されました。法律の解釈権が全人代常務委にあるため、恣意(しい)的運用が懸念されています。


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