しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年9月19日(土)

きょうの潮流

 専門家のお墨付き、俳優のだれだれさんもご愛用――。テレビやネットの通販でよく使われる宣伝文句です。権威付けと呼ばれる手法で、相手の不安をとり除く効果があるといいます▼もしそれが一国の首相だったら。うさん臭さを感じながらも、つい信用してしまった…。そういう人も多いでしょう。実際、安倍首相が招待した人だからと大金を投じた被害者も少なくありません▼布団やネックレスなどの磁気商品を高額で買わせ、商品を渡さずオーナーにならないかと誘い、現金をだまし取る。そんなあくどい商法で全国約1万人から2100億円もの資金を集めたとされる「ジャパンライフ」の山口隆祥(たかよし)元会長らが詐欺容疑で逮捕されました▼すでに債務超過に陥りながら、もくろんだ最後の荒稼ぎ。最大限に利用したのが山口元会長に届いた安倍首相からの「桜を見る会」の招待状でした。同社のあるセミナーでは招待状とともに首相の顔写真が大写しされるほど▼税金で悪徳商法の代表をもてなし、そのことがさらに被害者をひろげた。二重に罪深い「桜」の私物化を解明することは国の責任です。しかし、官房長官として招待者をとりまとめていた菅首相は、検証もせずに、ただ中止したいと▼お年寄りたちが老後の蓄えをだまし取られ苦しんでいるのに、これでよく「国民のために働く内閣」などといえたものです。どんな権威付けもそうであるように、一時的に効力があったとしても、道を踏み外したままではいずれ信用を失います。


pageup