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2020年9月18日(金)

温室ガス削減 30年55%

欧州委員長「達成可能だ」

 【ベルリン=桑野白馬】欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は16日、2030年までにEU域内の温室効果ガス排出量を1990年比で少なくとも55%削減すると表明しました。

 ブリュッセルの欧州議会の施政方針演説で述べたもので、フォンデアライエン氏は、現行目標の40%減から大幅に削減目標を引き上げることについて「野心的な目標で、達成可能だ。そして欧州のためになる」と強調。7月に合意した新型コロナウイルスからの復興基金7500億ユーロ(約93兆円)のうち37%を気候変動対策にあてると明らかにしました。

 EUは50年に域内の温暖化ガスの排出を実質ゼロにする目標を持ちます。30年目標はその中間点という位置づけ。18年の排出量は1990年比で20%減でした。世界で異常気象が拡大している現状から、目標をさらに高めました。

 一方、英国のEU離脱に伴う将来関係の交渉をめぐっては、ジョンソン首相が議会で審議を進めている国内法案が離脱協定に反すると批判し、法案の撤回を求めました。

 また、域外で人権や民主主義をめぐる問題が頻発しているにもかかわらず、EUが迅速に対応できていないと指摘。「なぜEUの価値観に関する簡単な声明さえ出すのが遅れたり、あるいは出せないのか」として、迅速な意思決定のための新たな改革案を準備していると表明しました。

 フォンデアライエン氏はベラルーシで不正選挙疑惑をめぐって行われている平和的な抗議行動への支持を表明。香港やウイグル自治区での少数民族への弾圧に「声を上げ続ける必要がある」と強調しました。


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