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2020年9月7日(月)

沖縄・普天間基地の土壌

高濃度の有害物質検出

国・県など調査結果公表

 米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)での有害物質PFOS・PFOAを含む泡消火剤の漏出事故(4月10日)を受けた基地内への立ち入り調査結果が公表され、排水路周辺の土壌から検出された両物質の濃度が、最高値で1キログラムあたり3万8200ナノグラムにのぼったことがわかりました。

 両物質は残留性が高く、微量でもがんや低体重出産など、人体への重大な健康被害が懸念されています。政府は4月、飲料水・環境水における安全を考慮し、1リットルあたり50ナノグラムの暫定目標値の適用を決定しました。

 調査は4、5月に、政府、沖縄県、宜野湾市が実施。排水路の水、格納庫周辺の土壌、排水路周辺の土壌における両物質の濃度を測定しました。

 排水路の水では、調査が行われた3地点すべてで目標値を上回る濃度で検出され、最高値は140ナノグラムに上りました。基地外の河川水における両物質については「目標値を下回っている」と強調していますが、「1リットルあたり50ナノグラム」の目標値自体が高すぎると指摘する専門家も多い。

 沖縄の米軍基地周辺の水源汚染を研究してきた小泉昭夫京都大名誉教授は、「普天間基地周辺の水道水からは他の地域よりも高い濃度のPFOS・PFOAが検出されている。汚染水が基地外に流れ、水道水や海産物などを介して人体に曝露(ばくろ)する危険性がある。さらに6:2FTSという残留性の高い化合物も懸念される」と指摘します。

 また、土壌の汚染も基地内にはとどまらず、農産物にも影響すると警告。「日米地位協定の下では、米軍は返還時に原状回復の義務がない。法的な対策をすることで、汚染者の原則をはっきりさせることが重要だ」と述べました。


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