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2020年9月6日(日)

香港国安法は人権侵害

中国政府に見直し要求 国連特別報告者らが書簡

 国連の人権特別報告者ら7人が、中国政府に対し「香港国家安全維持法」(国安法)の規定が、中国政府が負う国際法上の義務に合致せず、基本的人権を侵害する「重大な危険」があるとして、「見直しと再検討」を求める連名の書簡を送り、4日国連のウェブサイトで公表しました。

 書簡は、国安法の条文を詳細に分析。国家分裂や政権転覆の罪が幅広く規定され、表現の自由や集会・結社の自由が制限され、市民社会の正当な活動が制限されると懸念を表明しました。

 また国安法違反の容疑者を中国本土に送還できる規定について、香港が負う、公正な裁判を保障する国際法上の義務を果たせなくなる危険があると指摘しました。

 書簡は、同法の「テロ」、「国家分裂」、「政権転覆」の定義があいまいだと指摘。その取り締まりの名目で、「市民的及び政治的権利に関する国際規約」(自由権規約)で認められた活動を犯罪視するのは、「条約義務違反」だとしています。

 書簡は中国政府に対し、国外での活動も同法が処罰の対象としていることについて、自由権規約と合致した形でどう実施するのか―などについて説明を求めました。

 ファヌラ・ニアロン「テロ対策の中での人権保護・促進」特別報告者のほか、「恣意(しい)的拘束」、「意見及び表現の自由」、「平和的集会及び結社の自由」などを担当する特別報告者や作業部会の代表が書簡を執筆しました。


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