しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年9月5日(土)

きょうの潮流

 出馬、対抗馬、一騎打ち…。政治用語には「馬」に関わるものが目立ちますが、自民党総裁選の様相を最も表している言葉が、「勝ち馬に乗る」でしょうか▼安倍晋三首相の辞任表明は、直接的な理由は病気であるにせよ、内政・外交に加え、コロナ対応で失政を重ねて行き詰まり、国民に追い詰められた結果です。ところが、自民党内では早々と「安倍路線の継承」が方向づけられ、主要派閥が雪崩を打つように、こうした流れに乗っていきます▼森友・加計、「桜を見る会」にみられる政治の私物化も不問に付し、「安倍路線の継承」を競い合う。党員投票をとりやめ、「安倍政治」への異論は最初から排除される…。まさに異様な光景です▼しかし、「安倍政治」の下、物価は上がり、賃金は下がり、社会保障は後退し、立憲主義・民主主義は大きく傷つけられました。国民にとって、いいことなど何一つなかった7年8カ月でした。この路線を反省も検証もせず「継承」していけば、国民との矛盾はさらに深刻となることは目に見えています▼決着をつけるのは今後の国会論戦であり、そして総選挙です。自民党や公明党が乗っているのは「勝ち馬」などではなく、沈みゆく「泥舟」であることを思い知らせたい▼見過ごせないのは、大手メディアの責任です。「安倍政治」の共犯者である総裁選候補者の一挙手一投足を報じ、誰が総裁になるかで大騒ぎする時なのか。「安倍政治」の転換を正面から報じる「しんぶん赤旗」の役割は大きい。


pageup