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2020年8月13日(木)

きょうの潮流

 ばかにしている、何のために来たのか。被爆者たちを中心に怒りの声がひろがりました。広島、長崎の平和式典に出席した安倍首相のあいさつに▼ほとんど同じ文言。唯一の戦争被爆国の首相にもかかわらず、思い入れも訴える中身もない。ただ作文を読みあげる心ない言葉の羅列は被爆地を傷つけるだけです。過去にも使い回しやコピペが指摘されてきましたが、これでよく「被爆者に寄り添う」などといえたものです▼首相のこうした姿勢は政権全体にも及んでいます。「黒い雨」の被害をうけて裁判をおこした人たちの願いに反し、国が控訴しました。「十分な科学的知見に基づいたとはいえない」と。一審の広島地裁では原告84人を被爆者として認めていました▼2週間前の判決に歓喜の声をあげ、平和式典でも全員勝利の喜びをかみしめる高齢の被爆者の姿がありました。それを失望に変えた国に対し、原告らは「高齢化が進む黒い雨を浴びた人たちの思いをふみにじるものだ」と厳しく批判しました▼原爆直後の不十分な調査のまま、対象区域を狭め、線引きしてきた国。どれだけ健康被害を訴え続けても長年放置してきた怠慢を棚上げし、「科学的知見」を口実にもちだすとは▼原爆や戦争、今のコロナ危機。この国の根本にかかわる問題について、何も語るべきものがない首相や政権。そこは国民が動かすしかありません。すべての「黒い雨」被爆者が救済されるまで全力でたたかい抜く。原告や弁護団が改めて決意を示したように。


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