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2020年8月12日(水)

きょうの潮流

 スポーツや俳句などで親交を深め、仕事を分け合う。そんな活動をしていただけで逮捕され、獄中で拷問をうけた。あるいは、絵を描き、レコードを聴くことも罪に問われた▼「なぜこんな理由で捕まるのかという事例が次々に出てくる」。戦前日本の治安維持法で検挙された人たちの記録をまとめた西田義信さんはいいます。言論や表現、集会や結社。いまでは憲法で保障された、あらゆる自由が取り締まりの対象になったことが記録からもうかがえます▼国や政治を批判し、現状を変えようとする市民や運動は犯罪者、犯罪集団。どんな口実を使ってでも捕まえろ―。狂気の弾圧の後ろ盾となった治安維持法がいま、香港で猛威をふるっています▼民主化運動を象徴する周庭さんや、中国に批判的な香港紙を創刊した黎智英(れい・ちえい)さんらを相次いで逮捕した香港警察。中国政府から押しつけられた国家安全維持法に反したと。影響ある活動家を拘束することで運動を沈め、人権を抑圧する狙いです▼この法のもとでとんでもない恐怖感が今の香港にはある。そういって収監の可能性に言及していた周庭さん。「でも私にとって香港の民主運動に参加することは光栄だと思います」と、日本や世界に支援を呼びかけていました▼なりふり構わぬ大国の暴圧に抗する。あの暗闇の時代、私たちの党をはじめ、いまや当たり前の戦争反対や民主主義を求めて迫害された先人たち。時をこえ、命をかけてたたかう人びとに通じる思い。それは、未来への希望です。


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