しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年7月28日(火)

きょうの潮流

 問題が起きるたび学び合ってきた。何が正解かわからず手探りだったから▼福島で予定した52回目の全国保育団体合同研究集会は、新型コロナ感染拡大防止で中止。「このままじゃ終われない!」とネット配信を準備しています。2011年に起きた福島第1原発事故。子どもの健康を守りながら、育ちをどう保障するか。日々問う保育でした▼砂場の砂は触っていいか。どうしたら外で遊べるか。「とにかく学び合い、語り合った」と福島大学名誉教授の大宮勇雄さんは話します。コロナ禍という正解のない世界に再び放り込まれましたが「語り合えばかすかな一致点が見え、安心につながる」▼正解が見えないのは学校も同じ。くらし家庭面のシリーズ「ここから始まる 学校でいま」には、教職員の苦闘がつづられます。楽しみだった行事が中止、やめないのはテストと授業だけ。「音楽って不要不急なの?」と自問自答し、心が沈んでいた。休校を喜ぶ子どもを見て、自分の力のなさに落ち込んだ…▼一斉休校は、子どもの育ちも教職員の専門性も踏みにじりました。対策を考え合う時間だけでもとの願いも、「一斉」の号令でかなわなかった。ある小学校教員は、この時代に求められる仕事は何かと知恵を集め、一歩を踏み出します。別の小学校教員は「『子どもの命を守ること』と『学校生活を充実させること』という実現困難な両立を学校はめざすしかない」と▼せめて対話の努力は惜しまないでいたい。今を生きるおとなの責任として。


pageup