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2020年7月26日(日)

きょうの潮流

 ロシアの作家チェーホフは130年前、シベリアを横断旅行しています。その記録は次の会話で始まります。「シベリヤはどうしてこう寒いのかね?」「神様の思召(おぼしめ)しでさ」(「シベリヤの旅」神西清訳)▼鉄道が敷かれていないころのこと。5月なのに身を切る寒風が吹き、川の氾濫などに遭いながら、作者が馬車で渡った時のスケッチです。そのシベリアで今、「熱波」が問題になっています▼今年1~6月の気温が、2010年までの30年間の平均気温より5度以上も高い異常な状態が続いたというのです。6月20日には北極圏に位置する町で38度を観測。これらを分析した欧州やロシアの科学者たちの共同研究チームが今月、報告書を発表しました▼「人為的な気候変動がなければあり得なかった」と。さらに気候変動によって高温状態が頻発すると警鐘を鳴らします。報告書には、高温状態による永久凍土が溶けることで環境汚染などをもたらしているとして、今年5月に起きた、凍土に建てられた燃料タンクの崩壊例を挙げています▼同様の研究は日本でも行われ、2018年の記録的猛暑の発生確率について地球温暖化との関係で研究者が分析。地球温暖化がなければ記録的猛暑は起こらなかったとする結果でした▼暑さだけではありません。気象庁は、温暖化が進めば今世紀末には20世紀末と比べて、滝のように降る強い雨の発生回数が2倍以上に増えると。温暖化の抑制に逆行する政府の石炭火力発電推進をやめることは待ったなしです。


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