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2020年7月20日(月)

コロナで不平等拡大判明

国連事務総長講演 安全網確保求める

 南アフリカで人種隔離政策(アパルトヘイト)を撤廃に導いた故ネルソン・マンデラ元大統領の生誕記念日の18日、国連のグテレス事務総長がニューヨークで講演しました。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)を通じ、世界中で不平等が拡大していることが明らかになったと指摘。国民皆保険や最低所得保障、公的サービスの拡充など社会的なセーフティーネット(安全網)を確保するよう求めました。

 グテレス氏は、パンデミックの中「誤った議論や間違った考えがあちらこちらで露呈している」と指摘。「われわれは同じ海の上を漂流しているが、明らかに、高性能ヨットに乗っている人もいれば、浮遊する残骸にしがみついている人もいる」と不平等の拡大を指摘しました。

 ジェンダー平等と人種差別反対の二つの運動は「植民地主義と家父長制という不平等の歴史的な根源」に向けられたものだと指摘。植民地主義は今も、ヘイトクライムや排外主義、白人至上主義に反映し、家父長制のために女性に対する「不平等と差別が当たり前になっている」と批判しました。

 「税制上の特権や税金逃れ、脱税の広まりに加え、法人税率の引き下げ」で社会保障や教育、医療の予算が減っていると指摘。税制で富裕層を優遇する国もあるが、「だれもが公平に負担をすべきだ」と訴えました。

 パンデミックやそれ以前から広まっている不満には「すべての人の機会均等と、権利と自由の尊重」に基づいて対処せねばならないと強調。若者が尊厳をもって生き、女性が男性と同じ展望とチャンスをもち、社会的弱者が守られるという「新しい社会契約」と、国際社会で権限・富・機会を広く公平に分かち合う「新しい世界的政策(グローバルディール)」を提唱しました。


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