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2020年7月17日(金)

東京区部 感染急増

新宿だけでなく隣接地域に拡大 「夜の街」だけでなく日常の場で

専門家警鐘

 7月に入って東京都内で新型コロナウイルス感染症の患者が急増しています。菅義偉官房長官は「市中感染は大幅に広がっている状況にはない」(15日)としましたが、都が公表したデータからは、23区内で急速に拡大してきている実態が分かります。(井上拓大)


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半月で1633人増加

 本紙は都が公表している累積感染者を今月1日時点と14日時点で比較しました。23区全体では、約半月で計1633人増加です。患者数が最も増えていたのは、新宿区の488人です。続いて中野区が123人、世田谷区が113人となっています。

 小池百合子都知事や国は新宿、池袋など「夜の街」「接待を伴う飲食店」での感染を強調してきました。15日に開催された東京都モニタリング会議では、国立国際医療研究センターの大曲貴夫・国際感染症センター長が、「これまでは新宿といわれてきたが、実際には中野、世田谷、港、豊島ほか、隣接する板橋、練馬、渋谷にも広がっている」とコメントしています。この会議で専門家は「感染が拡大していると思われる」と判断しました。

 杉並区広報課は本紙の取材に、「区内では1日67件のPCR検査を実施しており、区内の陽性者数は増加していると感じる」と答えています。中野区医師会も「この2週間で増加したように感じる」としています。

 また足立区、荒川区、文京区、新宿区、渋谷区、世田谷区と、地理的に北から南へ一直線につながる地域が増加傾向を示しました。これらの中心部には、新宿、渋谷といった若者が集まる大規模な繁華街が存在しています。

 荒川区では15日までに介護施設で入所者、職員計32人のクラスター(感染者集団)が出ています。文京区でも15日までに区立保育園で保育士、園児計33人の感染が確認されています。先のモニタリング会議では大曲氏が「(感染の場は)施設のなか、同居する家族、職場、個人の会食など、『夜の街』だけでなく、日常の場で多岐にわたっている」と警鐘を鳴らしています。


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