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2020年7月15日(水)

20年防衛白書 コロナ禍で なお軍拡強調

国際連帯必要な時に他国脅威あおる

 河野太郎防衛相は14日の閣議で、2020年版防衛白書を報告しました。新型コロナウイルスの感染拡大により、欧米各国軍が重大な打撃を受ける一方、中国やロシアなどが「自らに有利な国際秩序・地域秩序の形成や影響力の拡大を目指した国家間の戦略的競争をより顕在化させ得る」と指摘し、安全保障上の課題として「注視する」と警戒感を示しました。

 中国について、尖閣諸島周辺への領海侵入や中国公船による日本漁船への接近・追尾などにふれつつ、「力を背景とした一方的な現状変更の試みを執拗(しつよう)に継続している」と強調。さらに、「感染拡大に伴う社会不安や混乱を契機とした偽情報の流布を含む様々な宣伝工作なども行っている」などと記述しました。

 北朝鮮の核・ミサイル開発に関し、「弾道ミサイルに核兵器を搭載してわが国を攻撃する能力を既に保有しているとみられる」と明記。19年5月以降に発射された3種類の新型短距離弾道ミサイルが、低空飛行する特徴があるなどと分析し、「ミサイル防衛網を突破することを企図している」と危険視しました。

 中国や北朝鮮の脅威を強調し、宇宙・サイバー・電磁波の新領域での軍拡のほか、「島しょ防衛」を口実とした長距離巡航ミサイルの整備やV22オスプレイ導入など、コロナ禍でも軍拡路線の継続をうたっています。

 一方、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の「配備断念」は締め切りに間に合わず盛り込めませんでした。今後の対応は国家安全保障会議の議論を踏まえて検討すると記載しました。


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