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2020年7月11日(土)

きょうの潮流

 香港で人権抑圧を強める国家安全維持法が施行されてから10日あまりがたちました。市民の逮捕が相次ぐ一方、創意工夫をこらした抗議行動が毎日続いています▼「今日焚書(ふんしょ)、明日坑儒(こうじゅ)」。民主派の区議会議員が掲げた抗議の言葉です。法律の施行に伴い公共図書館で民主活動家らの著作の閲覧や貸し出しができなくなったことを非難しました▼「焚書坑儒」は古代中国・秦の始皇帝が自らの支配を固めるために行った思想言論弾圧です。実用書以外の書物を焼き捨てさせ、体制を非難する儒者を穴に生き埋めにしたとされます▼香港政府は昨年来の抗議行動で市民が使ってきたスローガン「光復香港、時代革命(香港を取り戻せ、われわれの時代の革命だ)」も処罰対象だと主張しています。国家安全維持法はもともとどんな言動が犯罪になるのかも不明確なもの。「香港が焚書時代になる」と懸念が広がるのは当然です▼言論封殺に抗して市民がいま新たに始めたのが、何も書いていない真っ白な紙を掲げ、スローガンを叫ばない形で行う抗議です。スローガンは禁止されても意思表示はやめないという意気込みです。当局は参加者を逮捕しましたが「白紙を掲げる人々を政府が恐れるとはおかしなこと」と市民は意気軒高です▼今の世界では重大な人権侵害は単なる国内問題ではなく国際問題です。人権は自由を求める人々のたゆまない運動で勝ち取られ拡充されてきました。歴史をみれば香港市民のたたかいにこそ未来があることは明らかです。


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