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2020年7月6日(月)

河井夫妻への提供資金の使途

1.5億円 自民の説明迷走

 昨年の参院選をめぐる大規模選挙買収事件で、河井克行前法相と妻の案里参院議員(ともに公職選挙法違反=買収=容疑で逮捕)が自民党本部から1億5千万円の破格の資金提供を受けていた問題で、その使途について自民党の説明が迷走しています。

 1億5千万円の資金提供が週刊誌で報じられた直後の1月27日、安倍晋三首相は衆院予算委員会で「政治資金の移動は何ら問題ない」「政治資金収支報告書にしっかり記載し報告する旨の(案里氏の)コメントがあった」と答弁。二階俊博幹事長は6月16日の会見で党としての説明責任を問われたのに対し、「本人の説明を中心に誠実に答えるのがいい」と述べ、説明責任を回避する姿勢を示しました。

 さらに二階氏は国会会期末の翌17日、検察当局が国会閉会をまって河井夫妻の公選法違反(買収)容疑での立件に向けた動きを本格化させるなか、1億5千万円の使途について「広報紙を複数回、全県に配布した費用に充てたと報告を受けている」「(政党助成金は)公認会計士が事後的に各支部の支出をチェックしている」などとして「買収に使うことができないことは当然」と豪語しました。

 ところが、二階氏の発言は同23日の記者会見で一変。「党として支出した先がどうなったか細かく追究していないので」「党は承知していない」と、「買収」に使われたことはないとした自らの発言を事実上、否定しました。

 この二つの発言の間、中国新聞6月21日付が、1億5千万円のうち1億2千万円が政党助成金を原資とし、河井夫妻が支部長を務めた二つの支部が今年の春に広島選管に出した報告書に使い道を示していないと報じていました。

 さらに、中国新聞7月2日付は、同紙の質問書に対して自民党幹事長室が「詳細が不明のまま(政党交付金)の使途報告書が提出されている」と回答したことを報道。使途が確認できていないことを自民党が認めたことが明らかになりました。

 政党助成金は国民の税金が原資です。それが買収に使われていたとしたら言語道断です。安倍首相と自民党本部は国民にはっきりと説明責任を果たすべきです。(若林明)

自民党本部から河井夫妻の政党支部への支出をめぐる発言

 1月27日 安倍晋三首相 河井(案里)議員からは政治資金収支報告書にしっかり記載し報告する旨のコメントがあった(衆院予算委員会)

 6月16日 二階俊博幹事長 (党としての説明責任を問われ)本人の説明を中心に誠実に答えるのがいい(記者会見)

   17日 同上 1億5千万円は支部の立ち上げに伴う党勢拡大のための広報紙を複数回、全県に配布した費用に充てられたと報告を受けている。(政党助成金は)公認会計士が厳格な基準に照らして、事後的に各支部の支出をチェックしている。買収に使うことができないことは当然(記者会見)

   21日 中国新聞で1億5千万円のうち1億2千万円は政党助成金で、河井夫妻が支部長を務める支部は広島選管に出した報告書に使い道を示していないと報じる

   23日 二階幹事長 党として支出した先がどうだったか細かく追究していないので、どなたの場合でも、その先までは党は承知していない(記者会見)

  7月2日 中国新聞の質問書に「詳細は不明のまま(政党交付金)の使途報告書が提出されている」と回答


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