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2020年7月3日(金)

志位委員長の会見

専門家会議の廃止表明 許しがたい暴言

政府の対応を批判

 日本共産党の志位和夫委員長は2日、国会内での記者会見で、西村康稔経済再生担当相が政府の専門家会議の廃止を突然表明したことを問われ、「本当に許しがたい発言です。会議メンバーには事前に相談もしておらず、専門家に対する敬意も尊重する姿勢もない。これでは専門家が誰も協力できなくなる。政府としてまったく間違った態度です」と批判しました。

 専門家会議をめぐっては、それに代わる分科会が発足されておらず、会議自体の廃止も上部組織の政府対策本部で決定されていません。志位氏は「決まってもいないのに、大臣がそういう(廃止の)発言をした責任が厳しく問われます」と述べました。

 そのうえで「専門家会議はまだ存在しているという認識だ」と表明。東京都の新規感染者が増えていることにふれ、「ここで手をこまねいているわけにはいかない」として、専門家会議メンバーの知見を踏まえた対策の必要性を強調しました。

国際問題について

 日本共産党の志位和夫委員長は2日、国会内での記者会見で、国際問題について記者団の質問に答えました。

香港での人権侵害

 香港で「国家安全維持法」にもとづく逮捕者が出ていることを問われて、志位氏は、すでに同法による逮捕者が多数出ており、「香港独立」という旗を持っているだけで逮捕されていることに触れ、「戦前の治安維持法と同じであり、言語道断の弾圧法であって、決して許すわけにはいきません。国際社会としても、これを許さないという声をあげていくことが大変重要だと考えています」と強調しました。

 志位氏は、日本共産党が中国の人権問題について、1998年の日中両党の関係正常化の際、天安門事件での日本共産党の立場を伝えたことをはじめ、作家・劉暁波氏のノーベル賞受賞に対する中国政府の対応、チベット、ウイグル、香港での人権侵害について、その都度批判してきたと指摘。日本共産党第28回大会の綱領一部改定報告で、中国の覇権主義的ふるまいと香港での人権侵害について厳しい批判を行うとともに、中国側に直接是正を求めてきたことを述べました。

 その上で志位氏は「今回の問題で、中国は『一線を越えた』と思います。どこを越えたか。これほどあからさまに人権にかかわる国際的な取りきめをふみ破ったことは、これまでと比べても質的に違います」と強調。「一国二制度」は中国の国際公約であり、言論や表現、集会の自由を認めると世界に約束したものだとして、「国際社会があいまいにせず、その世論と良識でこの暴挙を止めていくことが強く求められています」と述べました。

ロシア憲法改定

 ロシアの憲法改定で、第2次世界大戦で確定した領土について、交渉の対象にしないとする内容が明記されたことを問われた志位氏は「日本との関係では、国後・択捉を交渉の対象にしないということになります。第2次世界大戦の結果となれば交渉の対象にならない。プーチン政権の覇権主義がむき出しの形であらわれたもので、強く抗議したい」と表明しました。

 志位氏は、国内的措置で決めたとしても、国際的には効力がないと指摘。「日本共産党は、かねてから主張してきた全千島の返還を強く求めます。その立場で道理にたった交渉、とくにヤルタ協定、サンフランシスコ条約にもとづく戦後処理の不公正を正すことで、問題解決することを強く求めたい」と語りました。

 あわせて、今回の憲法改定は、安倍対ロ外交の大破綻を示すものだと強調。「交渉の対象にしないと憲法で決めてしまえば、安倍首相が語ってきたプログラムは崩壊するわけです。これまでの対ロ交渉、領土交渉のあり方の根本的な見直しが必要だと強くいいたい」と述べました。


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