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2020年7月3日(金)

きょうの潮流

 「われわれはまだ終息にさえ近づいていない」。新型コロナウイルスの感染拡大をめぐる、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長の言葉です▼日本では緊急事態宣言が解除されて1カ月が経過。通勤・通学が再開し、感染防止と社会・経済活動を両立させる「ポストコロナ」という認識も広がっています▼しかし、世界に目を転じれば、むしろ感染爆発の勢いは強まっています。米ジョンズ・ホプキンス大学システム科学工学センターの統計によれば、6月28日~29日にかけて、全世界の感染者が1000万人を超え、死亡者が50万人を超えました▼1日あたりの新規感染者数は過去最多を更新し続けており、このまま推移すれば、あっという間に死亡者100万人を超えることにも。冬季の南半球に位置する中南米だけでなく、酷暑の中東や南アジアでも感染者・死亡者が急増。すでに13万人近くが死亡した米国でも、勢いは止まりません▼一方、WHOの六つの管轄区のうち、日本を含む西太平洋地区は、感染者・死亡者数ともに低く抑えられています。SARSやMERSといった新型ウイルス拡大の痛苦の教訓を踏まえた国・地域が多いこともあるでしょう▼ただ、日本については、政府の医療・検査体制も水際対策も不十分であり、国民の自覚的な努力によるところが大きいのが実情です。しかし、それでは限界があります。今後の感染防止は「自衛」と言い放つ小池都政の下でじわじわ感染者が増えている現状が、不吉な未来を暗示しています。


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