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2020年6月30日(火)

緑・左翼共同の勝利

フランス統一地方選 与党が敗北

 フランス統一地方選の決選投票(第2回投票)が28日、第1回投票(3月15日)で議席が確定しなかった4820市町村(コミューン)で実施されました。緑の党と左翼政党との共闘が多くの主要都市で勝利し、マクロン大統領の与党が敗北しました。

 同国の統一地方選は、首長候補や有力政治家を筆頭とした議員候補リスト間で争われます。各リストの得票を基準に当選議員が決まり、議員の互選で首長が決まります。

 首都パリでは、社会党やフランス共産党ら左翼連合の現職イダルゴ市長のリストに、第1回投票で敗退した緑の党が加わり、右派・共和党のダチ元法相のリストに勝利しました。2月までマクロン政権で保健相を務めた与党の共和国前進のビュザン候補のリストは、約13%の票しか得られず惨敗でした。

 保守市政が1995年以来続いた南仏マルセイユでも、左翼連合の新人リュビロラ候補(ブーシュデュローヌ県議会議員)が、第1回投票で敗退した緑の党との共同で勝利しました。

 マルセイユに次ぐフランス第3の都市リヨンでは、決選投票に進んだ緑の党のドゥセ候補が、第1回投票で敗退した左翼政党との共同で、過半数の得票を獲得。共和国前進に勝利しました。

 アルザス地方の大都市ストラスブールでは、緑の党とフランス共産党の共同候補が勝利。南西部の主要都市ボルドーでは、共和党の現職市長に、第1回投票で敗退した「共和国前進」が加担しましたが、緑・左翼の共同候補に僅差で敗れました。

 フィリップ首相と、フランス共産党のルコック下院議員との一騎打ちで注目された北西部の都市ルアーブルでは、59%の得票で首相のリストが勝利。首相敗退という政権にとって最悪の事態は免れましたが、現地の報道は統一地方選挙の結果を総じて、「緑の党躍進」「与党惨敗」と報じています。

 この選挙の結果は、国会議員や地方議員代表ないし議員代理が選挙人となる9月27日予定の上院選挙に直接、影響します。

 なお、投票率は、新型コロナ禍の影響により、過去最低の約40%にとどまりました。(米沢博史)


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