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2020年6月22日(月)

国家安全法案概要を民主派批判

「一国二制度」「司法の独立」壊す

 中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会が20日に明らかにした「香港版国家安全法案」の概要に対し、香港の民主派や法律関係者は、「一国二制度」や「司法の独立」を破壊するものだと批判しています。

 21日付の香港紙・明報などによると、法案で中央政府が治安機関「国家安全維持公署」を設立して監督・指導するとしていることについて、民主派政党・公民党の楊岳橋氏は「香港の法執行プロセスに影響を与え、『一国二制度』の原則に真っ向から反するものだ」と批判しました。

 同党の譚文豪(たん・ぶんごう)氏も、国家安全に関わる案件を審理する裁判官を香港行政長官が指名することや、中央の治安機関が香港政府を監督・指導することについて、「(行政・司法・立法の)『三権分立』が退化し、中央政府による干渉が強まり、ひいては直接統治になるだろう」と警告。「公民党は国家安全法を絶対に受け入れない。香港人はたたかうべきだ」と強調しました。

 また、「国家安全法が香港の現行法と一致しない場合、国家安全法の規定を適用する。法の解釈権は全人代常務委にある」という規定に対し、香港大律師公会(法廷弁護士会)の葉巧琦(よう・こうき)副主席は「国家安全法が法律の上に君臨することになり、香港の『司法の独立』を破壊する」と懸念を表明。香港大学法律学院の張達明首席講師も「香港の裁判所が国家安全法の条文が香港基本法(憲法に相当)違反だと判断できなくなる」と指摘しました。

 民主派政党・民主党の涂謹申(と・きんしん)氏は「香港にいる全世界の人が人権の保障を失い、香港へ商売に来る人は香港が安全と感じなくなるだろう」と強調しました。

 若者政党「香港衆志」の黄之鋒(こう・しほう)事務局長はツイッターで、同法で「人権保護は消えてなくなる」とし、「国際社会が香港を支持し、中国にこの悪法を撤回するよう促してほしい」と訴えました。(小林拓也)


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