2020年6月21日(日)
きょうの潮流
差別撤廃を目指す国民のたたかいが、また新たな歴史を作りました。性的少数者(LGBT)であることを理由にした解雇は違法―。米連邦最高裁がこんな判決を出しました▼米大学の調査によると米国に住むLGBTの半分以上は性的指向や性自認に基づく差別を禁止する法律がない州に住みます。裁判はLGBTであるがゆえに解雇された労働者が起こしました。判決により今後は連邦レベルで権利が保障されます▼判決が根拠にしたのは1964年の公民権法でした。人種や肌の色、性別などに基づく差別を禁じた法律です。黒人差別撤廃を求める運動が無数の犠牲者を出しながら勝ち取った成果が、現在のたたかいで威力を発揮しました▼いま米国では白人警官による黒人男性殺害に抗議する行動が広がっています。抗議の波は国境を超え、掲げる要求も社会にあるあらゆる差別を一掃しようというものに発展しています。この流れが最高裁の判断に影響したという見方が米メディアに出ています▼それは“解雇は違法”だとした判決文を書き上げたのが、トランプ大統領の指名で就任した保守派判事だったことにもうかがえます。地球を覆う怒りの声を無視できなくなったということでしょう▼「粘り強くたたかえばいつか必ず正義を手にできる」。判決についてLGBT支援団体の活動家が述べた言葉です。どんな差別も偏見も許さない公正な社会へ。分断を乗り越えて手と手を取り合う国民のたたかいは着実に歴史を前に進めています。








