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2020年6月18日(木)

持続化給付金

国は柔軟審査へ 指導責任果たせ

“代替書類も給付”経産相答弁 いまだ徹底されず

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(写真)持続化給付金の審査を柔軟にするよう求め、声をあげる業者ら=10日、経済産業省前

 新型コロナウイルスの影響で売り上げが前年同月比50%以上減った業者に支給される国の持続化給付金について、「書類を何度出しても突き返され、一向に申請にたどりつかない」という声があふれています。背景には、審査等の手続きを民間に丸投げし、まともな指導もしない国の無責任があります。

 「相談窓口で機械的に拒否されると、絶望的な気分になる」―商売の維持へ、必死に資金繰りをする業者たちから聞こえてくる声です。

 申請には前年の確定申告書を添付します。国は当初、収入金額が未記入の場合は給付の対象外としていましたが、日本共産党の笠井亮衆院議員の質問を受け、梶山弘志経済産業相が「代替書類が確認されれば給付はありえる」と答弁(5月13日、衆院経済産業委員会)。収支内訳書で代替するなど、柔軟な対応を示しました。

 しかし、民間委託先の審査担当者やサポートセンター、コールセンターなどの現場スタッフに徹底されていません。

 ―5月31日。千葉県の業者が、収支内訳書による申請で良いのかコールセンターに問い合わせたところ「認められない。そのような話は現場には一切ない」と言われた。

 ―6月2日。大阪府の業者がサポートセンターに行くと、スタッフから「確定申告書に収入金額が書いてないので受け付けられない」と言われ、帰らされた。(いずれも全国商工団体連合会調べ)

 持続化給付金事業は、国がサービスデザイン推進協議会に委託し、再委託された電通が派遣会社のパソナなどに外注し、派遣社員やアルバイトが実際の業務を行っています。国が審査方針を柔軟にしても、正しく現場に伝わっていないのが実態です。

 事態打開へ、業者たちが声をあげています。全商連は10日、持続化給付金の手続き簡便化や迅速支給、電通などによる委託費「中抜き」疑惑の徹底解明を求めて経済産業省前行動に取り組みました。参加者は「生き残るかどうかの瀬戸際だ。大臣答弁を徹底し、柔軟な審査に切り替えて」と訴えました。

 清水忠史衆院議員は9日の衆院財務金融委員会で「(梶山大臣の答弁から)1カ月もたって、審査基準の判断が徹底できていないことは問題だ」と追及。国の責任で審査基準を現場に徹底することを強く求めました。

 松本洋平経済産業副大臣は「受給要件を満たしている方に資金が渡ることは重要だ。対応を検討したい」と答えました。


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