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2020年6月10日(水)

保護実効性乏しい

改定個人情報保護法 田村智子氏追及

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(写真)質問する田村智子議員=4日、参院内閣委

 参院本会議は5日、改定個人情報保護法を採決し、日本共産党以外の賛成多数で可決・成立しました。

 日本共産党の田村智子議員は4日の参院内閣委員会の質疑で、個人情報保護法改定案が「個人の権利利益を保護する」という法目的の実効性に乏しいままである点などをただしました。

 田村氏は、リクナビが就活生のインターネット閲覧履歴等から内定辞退率を予測し採用企業に販売していた問題を挙げて、個人情報を人工知能(AI)によって分析し個人の特徴を推定するプロファイリングは重大な人権侵害行為につながると指摘しました。

 リクナビ事件では、厚労省が業界全体に対して「就職活動を萎縮させるなど就活生の就職活動に不利に働くおそれが高い」として、本人同意があったとしても、内定辞退率予測のように個人情報を加工して企業に提供することは職業安定法第51条2項に違反するおそれがあるため行わないように、との見解を示しています。

 田村氏は「(個人情報の取り扱いについて)説明があり同意があればプロファイリングが自由に行うことができる。それでいいのか」と規制を求めましたが、衛藤晟一担当相は「プロファイリングは個人情報の利用形態の一つとしてその利用には期待が寄せられている」とし、利用目的の本人通知などを防止策としてあげるにとどまりました。

 田村氏は、プライバシーポリシーに包括的に同意しなければサービスを受けられないという実態を示し、さらに、内定辞退率予測や、人事評価をAIのみにゆだねることは、改正法案が新たに規定する「不当な行為の助長」にあたるかとただしました。個人情報保護委員会の其田真理事務局長は「該当する場合がありうる」との答弁にとどまりました。


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